20万㎡の巨大センターが誕生

カーゴニュース 2024年6月27日 第5254号

現場レポート
ベルーナ/吉見ロジスティクスセンター
AGV、GTPで進化する「通販物流最前線」

今後は〝プロフィットセンター〟へと成長

2024/06/27 18:51
荷主・物流子会社 マテハン

GTPと自動倉庫が連携、在庫適正配置も

 

 既存棟の3階と4階の「対面自動倉庫エリア」が同センターのもうひとつの核となる。総在庫の約20%を占めるAランク品が、自動倉庫46基の1万2000間口にコンテナで格納されている。全11段の自動倉庫は、上8段に在庫を、下3段に当日出荷商品が配置されるピッキングゾーンとなる。

 

 同エリアでのピッキングはPDAを活用し、人手で行われる。ピッキング終了後の出荷コンテナは、作業エリア内にあらかじめ数ヵ所設置された自動倉庫の「空間口」に投入され、出荷搬送ラインに流れていく。また、ピッキングゾーンの商品がなくなった場合にも、上段より自動で補充される。これらの機能によりスタッフは広く歩き回ることがなく作業は「エリア内」で完結することとなる。

 

 また、この「対面自動倉庫エリア」と「GTPエリア」の両方で、総在庫の約60%、ピッキングの「引当率」では9割近くをカバーしている。従って、両エリアでの適正な在庫ロケーションが、日々の作業効率に大きく影響することとなる。

 

 富田氏は「季節波動や販売戦略により変化する『商品ランクの変動』に応じて、WMSの設定により、毎晩在庫ロケーションの変更が行われる。GTPエリアでは、GTP棚のロケーションや、棚内のコンテナの組み合わせまで自動で調整される。加えて両エリアを〝またいだ〟調整も自動で行われて翌日作業に備えている」と説明する。

「対面ピッキング自動倉庫」の間口は1万2000以上

マトリクスアソートで出荷能力が向上

 

 各エリアでピッキングされた「完結ジョブ」のコンテナは、検品・梱包ラインを経て出荷される。一方「跨ぎジョブ」のコンテナは、「マトリクスアソートエリア」で、「荷合せ」が行われてから、その後の工程に進み出荷されていく。同エリアでは、作業者が商品のバーコードで読み取り、マトリクスアソートのトレイに投入すると、商品は配送先別のコンテナに「荷合せ」される仕組みだ。

 

 マトリクスアソートは、1バッチ(300件)を約12分程度で完結させるスペックを持ち、3基のフル稼働により、1時間に15バッチ、4500件の「荷合せ」が可能となる。通販以外の店舗向け配送品の「荷合せ」なども可能で、同センターの出荷能力の向上に大きく貢献している。

高速アソートは12分で300件の「荷合せ」を完了

グループに貢献する「プロフィットセンター」へ

 

 同センターの今後の方向性について山内氏は「まだ、リニューアルして1年未満なので我々も慣れていない。新規導入のGTPや3基のマトリクスアソートのスペックを使い切れていない面がある。今後は様々な組み合わせをテストすることで、よりスループットを上げていきたい。現状のスペックを出し切ることが当面の目標となる」と分析する。

 

 同社では今後、3PL事業を拡大する方針だ。すでに増築棟の1Fおよび3Fで3PL事業を行っている。現在は別ラインの作業となっているが、今後、作業量が増えてくれば、同社のラインに組み込む「共同化」も選択肢のひとつとなる。

 

 山内氏は「同センターでは〝考えさせない〟物流をコンセプトとしてきたが、それは作業に対することだ。『仕組み』については、全員で考えて、サービスレベルの向上に加えて、我々グループの成長にもつながるプロフィットセンターに進化させていきたい」と展望する。

山内氏
富田氏
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