活発なディスカッションが行われた

カーゴニュース 2025年12月18日 第5397号

日本の食を支えるインフラ クローズアップ”冷蔵倉庫

日本GLP
賃貸型冷凍冷蔵倉庫の普及へ課題を議論

「所有から賃貸へ」の流れを推進

2025/12/18 06:00
全文公開記事 倉庫・物流施設 コールドチェーン セミナー・イベント

 日本GLP(本社・東京都中央区、帖佐義之社長)は10日、冷凍冷蔵物流施設マーケットに関するメディア説明会を開催した。当日は現状のマーケット動向を解説したほか、日本GLPが開発を進めるマルチテナント型冷凍冷蔵倉庫の普及に向けた課題点などについて活発な議論を行った。

 

 会の前半では、みずほ銀行産業調査部次世代インフラ・サービス室社会インフラチームの南勇希氏が、コールドチェーン物流の業界動向について解説。現在の市場規模に関しては、冷凍食品の消費量増加に伴い、スーパーなどの主要な食品流通チャネルに加え、ドラッグストアでも低温食品の取り扱いが増えていることなどを背景に市場規模が拡大傾向にあり、今後も緩やかな増加が予測されると分析。全国における冷蔵倉庫の所管容積は増加傾向にあるものの、庫腹占有率はひっ迫した状況にあると説明した。

 

 南氏は「既存物件の約3割が築年数40年を超えており、とくに千葉、東京、兵庫で多く、建て替えが進まなければいずれは供給制約となりえる。一方、建築費の高騰や荷物の『逃がし先』の確保など、建て替えには課題が多い」と指摘。また、デベロッパーが設定する賃料とコールドチェーン事業者の保管料に大きなギャップが生じていることや、コールドチェーン事業者は〝アセット自前主義〟の意識が強いことから、賃貸倉庫へのシフトが進みづらいことなどを課題に挙げた。

 

 会の後半にはパネルディスカッションが行われ、南氏、日本GLP営業開発部営業推進グループシニアマネージャーの伊藤晋氏、営業開発部シニアマネージャーの草原洵也氏が参加した。南氏は「大型の商業用冷凍庫・冷蔵庫が日本の産業に入ってきてまだ年数が経っていないことから、建て替えが進んでいない。一方で、大手事業者の中にはすでに建て替えを終えていたり、経営計画に建て替えを盛り込んでいたりする事例も増えており、最初の建て替えのフェーズに入りつつある」と強調。これを受けて草原氏は「フロン規制への対応や自動化、大規模化などのニーズがある。建て替えの際の荷物の逃がし先として、当社が貢献できる」と述べた。

 

 さらに、賃貸用の冷凍冷蔵倉庫の普及が進まない要因として、賃料と減価償却費を比較されるなど賃料の高さが背景にあると指摘。日本GLPでは内陸側に通過型拠点を設けることで荷物の回転率を上げ、コールドチェーン事業者の収益性向上を支援するなど、賃料と保管料とのギャップを埋める施策を進めているという。伊藤氏は「ドライ倉庫はこの20年間で、所有するだけでなく賃貸も活用する、という流れが生まれてきた。冷凍冷蔵倉庫においても『所有から賃貸へ』の流れを推進していきたい」と述べた。

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