カーゴニュース 2026年5月12日 第5433号
日本ロジスティクスシステム協会(JILS、大橋徹二会長)はこのほど、2025年度の物流コストの調査結果を公表した。それによると、25年度調査(実績は主に24年度)の荷主企業の売上高物流コスト比率(全業種平均)は5・32%となり、前年度(5・44%)から0・12pt低下したものの、過去20年間で4番目に高い水準となり、6年連続で5%台となった〈図1〉。
JILSではこの結果を「物流事業者からの運賃・料金値上げ要請や労働力不足による人件費高騰を背景に、売上高物流コスト比率は長期的な上昇傾向にある」と分析している。
同調査は、昨年6~11月にかけてアンケートを実施し、205社から有効回答を得た。同一サンプルによる比較が可能な2年連続回答企業(135社)の売上高物流コスト比率は5・71%で、前年度比で横ばいとなった。
9割以上の荷主が値上げ要請に「応じた」
売上高物流コストを業種別にみると、製造業は5・26%(前年度比0・11pt減)で減少。非製造業では卸売業が5・57%(0・38pt増)の増加だったものの、小売業が5・40%(0・98pt減)、その他非製造業が5・14%(0・69pt減)と減少した。
物流事業者からの値上げ要請の有無については、回答企業195社のうち、181社(92・8%)が「要請を受けた」と回答。値上げを要請された主なコストの種類では、「輸送費」が166社で最多となり、次いで「荷役費」(101社)、「保管費」(90社)、「包装費」(74社)となった。要請を受けた企業の割合は24年度調査時と比べて1・1pt上昇している。
また、値上げ要請を受けた企業のうち、176社(97・2%)が「応じた」と回答。24年度調査(97・4%)からほぼ横ばいとなっている。要請に応じたコストの種類では「輸送費」が161社で最多となり、次いで「荷役費」(98社)、「保管費」(86社)、「包装費」(71社)となっている。
物流コスト上昇分の価格転嫁、9割弱が対応済み
物流施策の実施状況では、「物流コスト適正化への効果が大きかった施策」について、「輸配送改善(積載率向上、混載化、帰り便の利用、コンテナラウンドユース、エコドライブなど)」が最も多く、続いて「在庫削減」「輸配送経路の見直し」「配送頻度の見直し」「保管改善(保管の効率化、ロケーションの見直しなど)」となった。「実施予定の物流施策」では、「物流デジタル化の推進(AI導入、RPA導入、伝票電子化、物流情報システム導入など)」が最多で、次いで「物流の共同化」「輸配送改善(積載率向上、混載化、帰り便の利用、コンテナラウンドユース、エコドライブなど)」「自動化・機械化の推進(マテハン・ロボット・自動倉庫などの導入など)」「在庫削減」と並んだ。
このほか、アンケートでは外部環境変化に関連した課題への対応状況についても調査した。「物流コスト上昇分の価格転嫁」については、回答企業181社のうち、「少し対応できた」が45・9%で最多。「対応できた」(43・6%)と合わせて9割弱の荷主が価格転嫁に対応済みだった〈図2〉。
また、「ドライバーの荷待ち・荷役作業時間削減」については、回答企業175社のうち、「少し対応できた」が46・9%「対応できた」は43・4%となり、合わせて9割の事業者が対応済みとなっている。
「物流事業者の負荷軽減に向けた取り組み」については、回答企業179社のうち「少し対応できた」が56・9%で最多となり、「対応できた」(35・8%)が続く。「納品条件等緩和に向けた顧客との交渉」では、回答した163社中、「少し対応できた」が52・8%と半数を占め、次いで「対応できた」が23・9%だった。
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