カーゴニュース 2026年7月2日 第5448号
寝具メーカーのエアウィーヴ(本社・東京都千代田区、高岡本洲会長兼社長)はこのほど、ヤマト運輸(本社・東京都中央区、阿波誠一社長)が開発した「郡山ロジスティクスソリューションセンター(LSC)」(福島県郡山市)に入居し、「東日本配送センター」を開設した。敷地面積は約4620㎡で、6月3日から稼働を開始。23日にはエアウィーヴの「福島工場」と「東日本配送センター」をメディア向けに公開した。西日本の既存拠点とあわせ、東西2拠点運用でサプライチェーンの最適化を図る。
東日本エリアの輸配送能力を強化
エアウィーヴが販売する大型寝具はサイズの問題から配送コストが高いほか、時間指定ができないことや受け取りに立ち合いが必要なことなど、さまざまな配送上の制約を抱えていた。そのため同社はベッドマットレスの中材を3分割にすることで、段ボール2箱での配送に対応。ヤマト運輸との連携により、宅配便を活用した時間指定も実現するなど、物流課題への対応を進めてきた。エアウィーヴ執行役員生産本部副本部長兼生産管理部長の中原俊憲氏は「中材を3分割にしたことで、配送効率が上がっただけでなく、中材ごとに裏表の硬度を調節し、お客様の好みや体型にあわせて自由にマットレスをカスタマイズできるようになった」とメリットを強調した。
同社は製造拠点を東日本に「福島工場」(福島県国見町)、西日本には「滋賀工場」(滋賀県長浜市)、「幸田工場/幸田ロジスティクスセンター」(愛知県幸田町)を設けている。物流拠点としては、2023年に愛知県一宮市に「西日本配送センター」を開設し、西日本エリアでの輸配送能力を確保している。
一方で、東日本エリアでは、福島工場の周辺に賃借していた3ヵ所の外部倉庫から輸配送を行っていたため、頻繁な拠点間輸送が発生。加えて、東日本エリアで生産できない一部商品は西日本の倉庫拠点から輸送しており、長距離輸送も課題となっていた。同エリアでの輸配送能力強化に向けて、今年6月からヤマト運輸の統合型ビジネスソリューション拠点「郡山LSC」に入居し、「東日本配送センター」を開設。中原氏は入居の経緯について、「立地や物流品質の高さに加え、保管や出荷の機能がヤマト運輸の宅配便サービスと一体化しているため、配送時間の指定に対応できる体制が整っている点が大きい」と説明した。
在庫能力拡張でLT安定化、生産能力も向上
「東日本配送センター」は東北自動車道と磐越自動車道が交差する交通の要衝に位置し、福島工場から約70㎞、東京まで250㎞とアクセス性の高い立地にある。新拠点では、東日本エリアの既存倉庫の保管・出荷機能を集約。東京港からの輸入ルートも一本化し、拠点間輸送を大幅に削減したことで、輸送・保管に係る物流コストの抑制につなげた。庫内作業と配送の連携により、在庫管理と出荷品質の向上も実現。加えて、関東以北の顧客へ配送する商品を西日本から発送する必要がなくなったため、長距離輸送のトラックを年間で約20%削減したほか、一部商品のリードタイム削減にも成功した。中原氏は「当社では販売店での注文に対する納品は5日、個人のお客様に対する通販では2日のリードタイムを目指している。これまでは在庫の不足などによって遅延が生じることもあったが、新拠点によって在庫能力が強化され、関東以北のお客様に対し、より安定的にリードタイムを確保できる体制が整った」とした。
また、従来「福島工場」内で行っていた梱包・出荷作業をヤマト運輸に委託し、工場が生産業務に集中できる体制を整備。中原氏は「これまで福島工場では生産した製品の組み付けを行うスペースが不足しており、生産能力が限界に達していたが、保管スペースを組み付けスペースに置き換えることで、生産性の向上を実現した。今後も段階的に生産能力を拡充し、将来的には東日本エリアで販売される全製品を生産できるような体制を整えていく」と展望した。また、ヤマト運輸が郡山市などと防災協定を結んでいることにも触れ、「保管中の寝具を避難所に提供するなど、地域に貢献する体制も推進していく」とした。
なお、「郡山LSC」の隣接地には「プロロジスパーク郡山1」(延床面積4万1210㎡)が26年10月に竣工予定。ヤマト運輸のBTS型施設となり、1階は仕分け・輸配送ターミナルを持った「福島ベース」、2階はロジスティクス機能を持つ「郡山ロジセンター」として機能する。ヤマト運輸コントラクトロジスティクス事業郡山プロジェクト長の青澤勇氏は「『プロロジスパーク郡山1』が稼働すれば、仕分け・輸配送機能などが強化され、さらなる物流効率化が見込まれる」とし、「『郡山LSC』で行っている梱包作業ではエアウィーヴのシステムを活用している。今後も両社の設備・システムを組み合わせ、高品質な物流サービスを提供していく」と強調した。
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