カーゴニュース 2026年9月1日 第5463号
日本の食を支えるインフラ クローズアップ”冷蔵倉庫
日本GLP(本社・東京都中央区、帖佐義之社長)が日本最大規模の賃貸用冷凍冷蔵物流施設の開発に取り組む背景として挙げるのが、「冷凍食品需要の伸長」と「既存の冷凍冷蔵倉庫のひっ迫」だ。日本冷蔵倉庫協会の統計によると、5月時点で6大都市圏のうち東京、神戸、福岡の3都市で庫腹占有率(収納可能なスペースに対する貨物の埋まり具合)が100%を超えており、帖佐社長(写真)は「荷物があふれている状態が続いている」と説明する。
川崎港の東扇島地区は冷凍冷蔵倉庫の集積地であり、冷凍・冷蔵倉庫の保管能力は約125万tにおよぶ。直近では川崎の庫腹占有率は80%台と東京、横浜に比べるとタイト感は緩んでいる。今回のプロジェクトでは東扇島地区に近接する扇島地区に新たに55万tのスペースが誕生することになるが、需給バランスについて帖佐氏は、「一度に55万tを建てるわけでなく、ニーズに合わせて順次開発するため、供給過剰にはならないと思う」との見方を示す。むしろ、「集積しているからこそ、協力体制により作業効率を上げたり、コスト削減の点でメリットを生み出せる」と集積効果が増強されると見る。
日本GLPでは川崎区扇町に冷凍冷蔵のマルチテナント型物流施設「Marq 川崎2」(収容能力約17万6255t)を開発中で、2027年に竣工を予定している。「ALFALINK川崎扇島プロジェクト」はマルチテナント型ではなく、11棟に分けて開発することについて、同社では「現状、マルチテナント型の施設よりも、企業ごとのニーズに合わせて開発するBTS型施設への需要が強いことから、BTSを中心とした開発計画を進めている」という。また、基本的には1棟・1テナントでの利用を想定し、テナントのニーズや利用形態に応じて、複数テナントでの利用にも柔軟に対応していく予定。
なお、開発地の扇島のポテンシャルとして、交通インフラの整備や豊富な電力(JFE扇島発電所)、次世代エネルギー(日本水素エネルギーが建設中の液化水素基地)、港湾物流機能が挙げられる。また、港湾荷役を必要とするエリアであるため、人手不足のなかで作業員の確保も課題となりそうだ。また、工場跡地に対しては食品関係を扱う企業からは土壌汚染等を懸念する声もあるが、開発地は「原材料を保管していた場所で、土壌汚染は焼却炉の跡地等ごくわずかしか見つかっておらず、同汚染も今後改良をする計画」と説明する。
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