カーゴニュース 2026年9月15日 第5467号
物流領域でもAI活用の重要性が増すなか、独自ソリューションを積極的に開発しているのがHacobu(ハコブ、本社・東京都港区、佐々木太郎代表取締役CEO)だ。従来から物流業界でのデータ活用による課題解決に向けて、「MOVO」シリーズをはじめとした多くのサービスを提供。その発展型として、AIによるデータ化・データ利用を通じて物流業務の効率化に寄与する「AI-Driven Logistics(AIドリブン・ロジスティクス)」を推進する。CLO(物流統括管理者)などの意思決定のサポートを最大の目的に、AI活用サービスを次々とリリースしている。
「AIが分析、ヒトが判断」の環境を構築
Hacobuでは従来から、物流に関する意思決定を蓄積されたデータに基づいて行うことで課題解決につなげる「データドリブン・ロジスティクス」を推進し、その流れの中で物流領域におけるAI活用にも乗り出している。2025年9月には物流×AIの取り組みを加速させる実験場「MOVO AI Lab(ムーボ・エーアイ・ラボ)」を始動。サービスの第1弾として、課題の分析や施策立案を支援するAIエージェント「データ分析エージェント for MOVO Berth」の提供を開始した。
同社では「データドリブン・ロジスティクス」のさらに先を行くデータ活用のビジョンとして、蓄積データをAIが利用することによって物流業務のさらなる効率化を実現する「AIドリブン・ロジスティクス」の時代が来ていると提唱する。
「AIドリブン・ロジスティクス」の考え方について、坂田優取締役COOは「物流業務のプロセスでは、基幹システムやWMS(倉庫管理システム)、当社の『MOVO』シリーズでカバーされている業務の先に、アナログなままで残されているプロセスがまだまだ多い。そうした部分をAIによって標準化する必要があり、加えて、需要予測や配車といった個社開発が必要な領域でもAI導入の余地がある」と指摘する。そのうえで「AIによってデジタル化された一連の業務プロセスを連携し、各プロセスからまたAIで物流関連データを取得・統合して、さらにそのデータをAIに取り込ませて活用していく」とし、「AIでデータ化」→「AIがデータ活用」→「AIで業務自動化」→「AIでデータ化」――の流れが「AIドリブン・ロジスティクス」の基本サイクルであるとしている。
「AIドリブン・ロジスティクス」の目指す方向性として「CLOなどの意思決定の支援につなげていくこと」(坂田氏)と強調。ヒトが判断や調整、イレギュラー対応といったプロセスを担い、必要なデータの処理や分析、可視化、改善提案といった定型業務をAIが代替する――という環境の構築が重要だとしている。この〝棲み分け〟を確立し、物流全体の生産性や付加価値の最大化につなげることが、物流業界におけるAI活用の理想像となる。
将来的には、企業間物流における個社間の調整業務でも、両社がAI技術と必要なデータ基盤を用意しておくことで、今後は人を介することなく、AIが多くの調整業務を代替する未来も考えられるという。
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