カーゴニュース 2026年9月24日 第5469号
日本の食を支えるインフラ クローズアップ”冷蔵倉庫
賃貸用冷凍冷蔵倉庫の開発が加速している。2026年以降、全国で竣工・計画されている主な賃貸用冷凍冷蔵倉庫の延床面積は約138万㎡規模となる。開発の背景にあるのが、冷凍食品市場の拡大による需要増と既存施設の老朽化。既存の冷凍冷蔵倉庫の3割以上が築40年超とされ、建築費の高騰により自前での建設が困難な事業者からの賃借ニーズの拡大を見込む。開発コストが上昇するなか、ドライ倉庫よりも付加価値の高い冷凍冷蔵庫は賃料に転嫁しやすく、投資リターンが期待できる。近年は関西エリアでの開発が活発だったが、関東エリアでの開発も勢いづいている。ただ、開発コストを反映したハイレベルな賃料水準と、現状の物流会社の保管料・荷役料の水準にギャップがあり、開発側とユーザーのニーズのミスマッチもうかがえる。
日本GLPは扇島で日本最大級の開発計画
物流施設を専門とするデベロッパーの中でも、賃貸用冷凍冷蔵倉庫の開発にとくに積極的なのが日本GLPだ。同社は8月、川崎・扇島地区のJFE製鉄所跡地で、冷凍冷蔵物流施設を中心とする大規模多機能型物流施設「ALFALINK川崎扇島」を開発すると発表した。BTS型を想定した計11棟構成で、合計延床面積は約37万㎡。保管能力55万t規模の冷凍冷蔵倉庫群として、2030年7月から順次竣工を予定している。
同社は川崎・扇町ですでに国内最大規模の冷凍冷蔵マルチテナント型物流施設「Marq川崎Ⅱ」(延床面積約20万4660㎡)の開発を発表済み。約17万6255tの収容能力を備える倉庫として27年8月の竣工を予定している。
このほか、千葉県市川市では、全館冷凍冷蔵仕様の「Marq市川Ⅲ」(約1万2800㎡)を26年10月に竣工予定で、三友通商が専用施設として利用する。相模原市南区では、3温度帯対応のマルチテナント型物流施設「Marq相模原」(約13万5000㎡)を29年3月に竣工する計画で、最大30社入居可能な大規模施設となる。
関西エリアでは、大阪市住之江区で全館冷凍物流施設「Marq南港Ⅰ」(約7700㎡)を2月に竣工済み。さらに近接地では、全館冷凍冷蔵マルチテナント型の「Marq南港Ⅱ」(約2万1000㎡)の竣工を12月に予定しており、収容能力は約2・5万tとなる。
また、兵庫県西宮市では、全館冷凍冷蔵倉庫の「Marq鳴尾浜2」(約1万2044㎡)が28年4月竣工を予定。4階建てのシングルテナント型となり、約1・8万tの収容能力を備える。
需要と供給のバランスにも目を配る。日本GLPでは、8月に開いた「ALFALINK川崎扇島」の開発に関する記者会見で11棟をニーズに合わせて〝段階的に〟開発し、BTS(ビルド・ツー・スーツ型)を想定していることも明かした。
霞ヶ関キャピタルは自らも「保管」、物流事業に参入
賃貸用冷蔵倉庫の開発の先駆者とされるのが霞ヶ関キャピタル。日本GLPが「スペースの提供」に特化しているのに対し、施設内で独自サービスを展開するなど、オペレーションにも参入したことで注目を集めている。グループ会社の X NETWORK(クロスネットワーク)が提供するパレット単位の冷凍保管サービス「COLD X NETWORK(コールドクロスネットワーク)」と連携した開発計画を進めている。
5月には名古屋市南区で、冷凍自動倉庫「LOGI FLAG TECH名古屋みなとⅠ」(約2万345㎡)が完成。霞ヶ関キャピタルがアセットマネジメント業務とプロジェクトマネジメント業務を受託しており、約9752枚のパレット保管が可能。
川崎・東扇島地区では、6月に冷凍自動倉庫「LOGI FLAG TECH東扇島Ⅰ」(約1万9953㎡)が竣工し、約1万パレットが保管可能。さらに、近接地では冷凍自動倉庫「LOGI FLAG TECH東扇島Ⅱ」(約2万5863㎡)の28年1月竣工を予定しており、約2万644パレットの保管に対応する。加えて、今年8月には千葉県習志野市で「LOGI FLAG COLD習志野Ⅰ」(約8441㎡)が竣工した。
また、関西では神戸市須磨区で「LOGI FLAG TECH神戸弥栄台Ⅰ」(約1万9249㎡)を28年2月に竣工予定。約1万5144パレットが保管可能な冷凍自動倉庫となる。加えて、大阪府茨木市でも冷凍自動倉庫(4万791㎡)の30年冬竣工を計画している。
さらに、中継輸送拠点の機能を持つ冷凍冷蔵倉庫の開発にも着手。静岡県袋井市に「LOGI FLAG X STATION静岡袋井Ⅰ(仮)」(約5万㎡)として30年春竣工を計画する。このほか、埼玉県入間市、神奈川県厚木市、同県愛甲郡、京都府伏見区に冷凍自動倉庫の開発用地を取得している。
霞ヶ関キャピタルは、保管からさらに物流事業に踏み込む方針を示す。8月に開催された「LOGI FLAG TECH東扇島Ⅰ」のメディア内覧会では、冷凍幹線サービスを開始することも明らかにした。低温物流業界に施設を提供するだけでなく、自らプレイヤーとして参入してサービスを提供していく構えだ。
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