カーゴニュース 2024年6月20日 第5252号
セイノーホールディングス(本社・岐阜県大垣市、田口義隆社長)は18日、三菱電機(本社・東京都千代田区、漆間啓社長)との間で、三菱電機が保有する三菱電機ロジスティクス(本社・東京都中野区、四方壽一社長)の株式66・6%をセイノーHDが取得する株式譲渡契約を締結した。正式な株式譲渡は10月1日となる予定で、三菱電機ロジはセイノーHDの連結子会社となる。株式譲渡額は572億7600万円となる見通し。なお、三菱電機は株式33・4%を保有し、持分法適用会社として三菱電機ロジへの物流業務委託を継続していく。
三菱電機ロジは1958年設立で、三菱電機が株式の97・91%を保有する物流子会社。三菱電機グループの調達物流や製品物流、国際物流などを幅広く受託しているほか、グループ以外の外販事業も手がけている。菱電運輸という旧社名からも分かる通り、自社でトラックやドライバーを保有して実運送も展開しているのが特徴で、子会社を含めたグループ人員は約2800人におよぶ。24年3月期の業績は、売上高1062億8200万円、営業利益30億7500万円、経常利益46億700万円、当期純利益33億8600万円(いずれも単体ベース)で、子会社を含めた売上高の単純合計では1353億8300万円に達する。
一方、セイノーHDは、「特積みのセイノーからロジのセイノーへ」を重点戦略に掲げ、ロジスティクス事業の強化に取り組んでいる。具体的には、23年4月に「エレクトロニクス・ソリューション事業部」を立ち上げ、エレクトロニクス分野を自動車・バッテリー、ヘルスケアと並ぶ重点分野に位置づけ、産業別ソリューション事業を強化している。今回、三菱電機ロジを子会社化することで、同社が有する大型機器・設備などの特殊輸送、半導体や精密機械の輸送に関するノウハウ、大型ロジスティクスセンターなどの資産を活用し、エレクトロニクス領域を中心にロジスティクス事業を飛躍的に成長させることが可能となる。また、三菱電機ロジはセイノーHDが有する国内外の顧客基盤を活用して、三菱電機グループ外へのサービス提供を拡大していく。
なお、セイノーHDの売上高は、三菱電機ロジの新規連結化で約7800億円規模(両社の24年3月期決算の単純合計)まで拡大する。25年3月期第3四半期からの連結開始を予定している。
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