カーゴニュース 2024年9月12日 第5274号

「運輸・倉庫」の8月の景気は2ヵ月ぶり改善

価格転嫁が進み、小規模企業も幅広く回復

2024/09/11 16:00
物流データ・統計・調査

 帝国データバンクによると、8月の景気DIは前月比0・5pt増の44・3となり、2ヵ月連続で改善した。国内景気は、観光産業や季節的な需要がけん引し、全体の景況感を押し上げた。「運輸・倉庫」の景気は2ヵ月ぶりの改善となった。


 8月は、全国的な猛暑の継続と、地震や台風の影響を受けながらの経済活動となった。好調なインバウンド需要やお盆シーズンでの外出機会の増加により、観光産業の景況感が改善した。また、飲料や冷菓、喫茶店など飲食関連、熱中症予防グッズ、冷房設備工事などの猛暑による需要拡大のほか、自然災害に備えた駆け込み需要がみられた。好調な半導体関連の設備投資に加え、価格転嫁の広がりも好材料。一方で、工場の稼働停止や人手不足の継続、コスト負担の増加などのマイナス材料はあった。


 「運輸・倉庫」の景気DIは45・0で前月比2・4pt増となり、2ヵ月ぶりに改善。小規模企業を中心に幅広く回復した。「トラック部門は4月より大幅値上げを実施、増収増益が続いている」(集配利用運送)や「運賃転嫁も少しずつ進んでいる」(一般貨物自動車運送)など、徐々に価格転嫁が進み収益改善もみられる。他方、原油価格の高止まりや人手不足、中東情勢で海上輸送が不安定といった声がマイナス材料として挙げられた。

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