カーゴニュース 2024年9月19日 第5276号
東京商工リサーチによると、2024年8月の「物価高」に起因する倒産は46件(前年同月比22・0%減)で、今年2番目に低い水準となった。負債総額は149億3100万円(31・7%減)で、件数・負債ともに6月以来、2ヵ月ぶりに前年同月を下回った。
産業別では、最多は製造業の15件(前年同月比15・3%増)。以下、卸売業(約2・7倍)と運輸業(20・0%減)が各8件、建設業7件(65・0%減)の順。下請け企業が多く、ドライバーや職人不足が深刻な運輸業、建設業は、燃料や資材価格の高止まりが続き、適切な価格転嫁が急務になっている。負債額別は、負債1億円以上が25件(28・5%減、構成比54・3%)を占めた。形態別は、破産が42件(23・6%減、91・3%)となった。
東京商工リサーチでは、「深刻な人手不足を背景に、人材採用や退職阻止への賃上げに加え、10月からは最低賃金の引き上げも始まり、人件費上昇が収益にのしかかる。さらに、借入金の返済や金利引き上げもあり、資金繰りへの負担材料が増えている。企業は売上回復で資金需要が増大しているが、過剰債務を抱えた企業は新規借入が難しいだけに、物価高が収益を圧迫する度合いはこれまで以上に高まる」と分析している。
なお、24年8月の「人手不足」関連倒産は、前年同月と同件数の16 件で、7産業で前年同期を上回った。最多がサービス業他の57件(前年同期比90・0%増)。次いで、建設業54件(約2・9倍)、運輸業43件(65・3%増)と、コロナ禍前から人手不足に陥っていた労働集約型産業が目立つ。
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