国土交通省は10月30日、鉄道車両の輪軸組み立て時の圧入作業での安全性の確認方法などを検証するため「鉄道車両の輪軸の安全性に関する検証会議」の初会合（写真）を開催した。９月にＪＲ貨物などによる輪軸組み立て作業での不正行為が明らかになったことを受け、国交書は同月に複数の鉄軌道事業者に対し緊急点検を要請。点検の結果、組み立て時の圧入力値が社内の規定から逸脱しているなどの不適切な事例が多数確認されたことを受け、圧入作業での安全性の確認方法などについて検証することとしたもの。第２回会合を今月中旬に開き、年内に安全性の確保に向けた提言を取りまとめる。

　また、10月30日にはＪＲ貨物に対し、鉄道事業法に基づく事業改善命令を出す方針を通知した。①輪軸組み立て作業の規定類の整備②輪軸組み立て作業に関する教育体制の改善③作業記録の書き換えの防止④安全管理体制の点検と見直し――の４項目を実施するよう求める。今月６日までに同社から弁明がなければ、正式に事業改善命令として発出する。