法対応で新たなタスクが目白押し

カーゴニュース 2026年2月10日 第5409号

FOCUS
取適法、物効法、大手荷主の対応状況は…

3年後の「適正原価」導入にも身構え

2026/02/09 17:00
全文公開記事 FOCUS 荷主・物流子会社

 2026年は1月1日に中小受託取引適正化法(取適法)が施行され、4月1日には改正物流効率化法が全面施行を迎える。大手荷主にとって法制度への対応が足元の主要テーマで、物流会社との取引状況の確認や見直し、さらには「物流統括管理者(CLO)」の選任などのタスクが目白押しだ。さらには、トラック適正化二法に基づき3年後には導入されるという「適正原価」の導入にも身構える。

 

取適法、新基準対応ではリスク回避も

 

 1月1日施行の取適法では物流問題に対応するため、従来の下請法では対象外だった「荷主と運送事業者の取引も保護の対象となった。取適法の対象となる取引では、これまでの資本金基準に加え、従業員数による基準が新たに加わり、受託者が「常時使用する従業員数300人(製造委託、特定運送委託等の場合)または100人以下(情報成果物の作成、役務提供委託等の場合)」が追加された。

 

 従業員基準が適用される場合、「法律では『300人以下』だが、社内の基準のハードルを上げて『400人以下』とし、該当する委託先を抽出した」(電機)などリスクを回避する荷主もあった。一方、資本金基準では、ホールディングス制や資本構成上、資本金が3億円以下である“超大手物流会社”が「中小受託事業者」とされ、取適法の保護対象となることに違和感を指摘する声も聞こえる。

 

CLO、物流目線での社内調整に期待

 

 4月1日には改正物流効率化法が全面施行となる。「取扱貨物の重量9万t以上」の荷主は「特定荷主」に指定され、中長期計画の作成や定期報告等が義務化される。「特定荷主」およびフランチャイズチェーンなどの「特定連鎖化事業者」には、「物流統括管理者」(CLO)の選任が義務付けられる。CLOの届け出は4月以降、中長期計画の提出は10月メドとなる。

 

 「特定荷主」としての3大取り組みは、積載効率向上、荷待ち時間短縮、荷役等時間短縮。各荷主は荷役時間、荷待ち時間の計測、データ取得を進めている。ドライバーの附帯作業の削減では、発荷主、着荷主との間で「ドライバーが荷降ろし、特定の場所に納めることが、そもそもの『納品条件』となっている」(食品)など容易に解消しにくい事情もある。

 

 CLOについては、純粋に会社の経営・人事により決定されるケースもあれば、物流部門から役員に就任を“お願い”に行くケースもあるようだ。「物流コストが上昇する中で、リードタイムの延長や納品条件などこれまでの前提条件を大きく変える必要がある。社内での調整役を担ってほしい」(食品)などの期待が寄せられ、物流部門からの意見を生産や営業に通しやすくなる効果も見込まれる。

 

「適正原価」導入、価格転嫁は不可避か

 

 荷主が動向を注視しているのが、昨年6月に成立・公布されたトラック適正化法により、3年以内に導入されるとされた「適正原価」だ。これは、いわゆる「原価」に再生産可能な原資を上乗せした「適正な事業運営の確保のために通常必要と認められる費用」を国が告示し、荷主(発注者)、トラック事業者や利用運送事業者(受注者)双方に義務付けるもので、「最低運賃」に近い概念だ。

 

 現在、目安として告示されている「標準的運賃」の8~9割の水準とも言われ、現状の実勢運賃から大幅に上昇することが予想される。「トラック業界は規制緩和で過当競争になり、これまでかなり運賃が抑えられてきた。その反動として理解できる」(化学)という声もある一方で、「競争原理が働かず、独禁法に抵触するのでは」(電機)、「『適正原価』の計算式を開示してほしい」(食品)という意見もみられた。

 

 「適正原価」の導入により、「相当のインパクトがある」(食品)と価格転嫁は不可避になるとの懸念も強い。「“最低運賃”に張り付く可能性もある。国が定めた運賃が義務化されるのであれば、運賃交渉がシンプルになる」(住設)という見方もあるが、「『適正原価』は最低ラインであり、他社よりも高い運賃を払わなければ、トラック事業者から選ばれない」(食品)という声もあった。

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