浜田会長

カーゴニュース 2024年12月5日 第5298号

「営業倉庫」の意義に注目! オペレーションに宿る“魂”

日冷倉/年末記者会見
「24年問題」、発着荷主、運送会社と連携を

ドライバー荷役代行料金、適正収受の環境整備を

2024/12/04 16:00
全文公開記事 コールドチェーン

 日本冷蔵倉庫協会(浜田晋吾会長)は11月29日、年末記者会見を開いた。浜田会長(ニッスイ)ほか、田中一範総務委員長(田中倉庫運輸)、西川公人業務委員長(北冷蔵)、梅澤一彦環境・安全委員長(ニチレイロジグループ本社)、大石竜二税制補助金特別委員長(アイセン)が活動報告を行った。

 

特定技能への倉庫業の追加、早期実現に期待

 

 浜田会長は、冷蔵倉庫の動向として「日本では人流の回復やインバウンドの増加によって経済は緩やかに回復に向かっているという話があるが、食材の消費はそれほど伸びていないように感じている。当協会の12都市データを見ると、首都圏の庫腹がタイトであるように、入出庫の動きにエリアで多少の違いはあるが、在庫の推移は昨年とほぼ変わらない。今後、経済の好循環の実現によって、消費の動向が改善していくことを期待している」と述べた。

 

 「2024年問題」については、「これまでのところ当協会としては特段大きな問題は発生していないと理解している。しかし、人手不足は確実に進行し、時間の経過とともに問題が顕在化してくると思われる。発着荷主や運送業界と連携し、自主行動計画で策定した打ち手を粛々と実施していきたい」と表明。

 

 人手不足対策では、「外国人労働者の雇用について当協会でも部会を設置して検討しており、特定技能制度への倉庫業の職種・分野追加に向けて今年5月に物流倉庫議連の決議をいただいた。日本倉庫協会とともに早期の実現を期待している」と展望。フロン冷媒の自然冷媒化の推進、電力の安定供給と価格安定などの問題では、「これまで同様、行政・政治に働きかけを行っており、11月の物流倉庫議連の総会でも関係省庁・議員に要望書を提出した。とくに自然冷媒化の補助金については、中小事業者に対して優先的に2分の1補助をお願いしており、令和7年度も必要な予算が確保されることを期待している」と述べた。

 

 総括し、「速やかな解決を図りにくい課題が多いビジネスだが、食料のサプライチェーンにとってなくてはならない重要な社会インフラビジネスであり、さらに前進していきたい」と語った。

各委員長が活動を報告

T11パレットへの移行、10年、20年の長いスパンで

 

 各委員会活動では、田中総務委員長が外国人材雇用検討部会の進捗を報告。4月のアンケートにより、冷蔵倉庫では5年後の不足人数が3883人と試算したことを紹介した。西川業務委員長は標準冷蔵倉庫寄託約款の改正に向けた進捗、業界として盛り込みたい内容を説明。梅澤環境・安全委員長は電力実態調査の結果として、23年度は平均単価が21年比で2割強の増加だったことを報告した。大石税制補助金特別委員長は、物流倉庫振興推進議員連盟に提出した令和7年度の政府予算・税制改正要についての要望事項を紹介した。

 

 個別課題のうち荷待ち対策としてのトラック予約システムについて、西川業務委員長は、「首都圏、関西圏で導入が進んでいる。トラック予約システムの導入よりも、まずはバース管理システムを導入し、個々のバースでどの程度時間がかかっているか把握することが大事。一方、『予約システムを導入しなければならない』という論調があるが、そうではないと会員に伝えている。荷待ちが発生しているのは首都圏、関西圏が中心で、多くの地方の冷蔵倉庫では荷待ちが発生していない。そうした冷蔵倉庫まで高いコストをかけて予約システムを入れる必要はない」と指摘した。

 

 さらに、「荷役時間の短縮ということでトラックドライバーの荷役作業を冷蔵倉庫で代行できないかという話があるが、そこで発生する費用に対する料金を寄託者、荷主から収受できることが重要。荷役料金をしっかり収受できる環境整備を要望していきたい」と強調。ユニットロード化について、「積載効率が落ちた分、トラック台数が増えれば、トラックドライバーの人手不足にもつながる。また、トラック台数が増えると冷蔵倉庫での荷待ちが発生しかねない。トラックへの『部分最適』が先行し、物流の『全体最適』を見失っているように感じる。どのようにこの問題に取り組むべきか検討していきたい」と語った。

 

 国がT11型パレットを「標準パレット」として普及を進めていることについて、「会員企業ではおおむね7割強がT12を使っている。自動倉庫、移動ラック、柱の位置もT12を並べるように設計されている。T11への移行を進めるにあたっては設備の問題があり、10年、20年と長いスパンで少しずつ変えていく流れになるのでは」と事情を説明し、冷蔵倉庫では当面12型が主流となるとの見方を示した。

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