カーゴニュース 2024年12月5日 第5298号
日本の食を支えるインフラ クローズアップ”冷蔵倉庫
日本冷蔵倉庫協会(浜田晋吾会長)は11月29日の年末記者会見で、物流不動産デベロッパーが賃貸用冷蔵倉庫の開発を加速させていることについて見解を述べた。
浜田会長(ニッスイ)は、国土交通省などが立ち上げた「物流拠点の今後のあり方に関する検討会」に日冷倉からも委員として参加していることを説明し、「近年急拡大してきた物流不動産の存在が、日本の物流全体にとって無視できなくなってきており、物流不動産事業を含めて物流拠点というものを今後どうとらえるべきかというのがこの検討会の大きなテーマとなっている。当協会として賛成・反対ということでなく、現状をしっかり踏まえ、今後の貨物需要の動向に応じて、お客様本位で持続可能な冷蔵倉庫事業を目指していく」と表明した。
賃貸用冷蔵倉庫の開発の影響について、「東京は人口やコンテナ航路の集中により輸入貨物が増加し、冷蔵倉庫の新増設の用地が足りないため、庫腹はタイトな状況にある。一方、他の地域では既存倉庫に加え、新増設により着実に庫腹を増加させており、新規の庫腹が必要という状況ではない。物流不動産の最近の供給規模が大きいため、冷蔵倉庫の需給バランスの影響を受けるのではないかという懸念がある。他方、再保管や一時保管という観点では、物流不動産をポジティブにとらえることができるのでないか」と述べた。
また、一部の物流不動産デベロッパーが「保管」ビジネスにも参入していることに対しての見解として、「不特定多数の寄託物を集めること自体は、営業倉庫の登録をしていれば問題ない。しかし、営業倉庫としての登録をせず、スペース貸しや類似も含めて広く寄託物を集めることは、倉庫業と紛らわしく、行政が指導する必要がある」と語った。
土屋知省理事長は、「CBREの2024年4月のレポートによると、26年までの3年間で関西では11棟、関東では9棟の冷蔵倉庫対応のマルチテナント型物流施設が計画されているという。これは関西では協会会員の設備トンの2割、関東でも1割に相当する規模となる」と説明。さらに、「CBREでは冷凍食品の需要は2000年から年平均1・1%で伸びているとも報告している。当協会の会員の庫腹はこの間、年平均1・3%伸びている。3年間で関西で協会会員の設備トンの2割の庫腹が増えるということは、3年の間に20年分の設備供給が増える――ということを意味する」とインパクトの大きさを指摘。人口の減少に伴う食料消費のピークアウトがもたらす、冷蔵倉庫の需要変化の可能性にも言及した。
加えて、「築年数が40年を超えた冷蔵倉庫が多いことが、物流不動産デベロッパーが冷蔵倉庫を開発する理由のひとつとされるが、実際に40年超えて50~70年の現役の冷蔵倉庫もある。既存の倉庫も使いつつ新しい倉庫を建てており、『築40年経ったら倉庫が使えなくなる』ということではない。新規の施設を建てるには巨額の投資が必要であることも考えると、今あるものを使っていくことは合理的だ」とも述べた。
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