新潟の菓子3社の荷物を混載

カーゴニュース 2024年12月10日 第5299号

FOCUS
W連結トラック活用した荷主の共同物流が加速

「新モーダルシフト」の受け皿として期待

2024/12/09 17:00
FOCUS 荷主・物流子会社 トラック輸送

 「ダブル連結トラック」を活用した荷主の共同物流が加速している。「2024年問題」をきっかけに長距離幹線輸送の維持に対する危機感が募る中、ダブル連結トラックは1台で大型トラック2台分の輸送が可能で、省人化と環境負荷の軽減に寄与する。多様な輸送モードを駆使して輸送力不足解消を図る「新モーダルシフト」の受け皿としても期待が高まっている。

 

物流会社の提案でダブル連結トラック導入

 

 岩塚製菓、亀田製菓、ブルボンはこのほど、新潟~関東間でダブル連結トラックによる共同トライ運行を開始。NEXT Logistics Japan(NLJ)の提案を受けて行うもので、2024年度内の運行開始を目指している。

 

 関越自動車道を使った、中距離輸送での取り組みとなる。3社の商品を朝日物流の長岡物流センターに集め、ダブル連結トラックにまとめて亀田製菓の物流センターである新潟輸送所沢物流センターに輸送。そこから他2社の物流センターに二次輸送する。

 

 住設業界はダブル連結トラックの運行で先行する。旭化成ホームズとフジテックは関西~関東の区間の輸送について、センコーが提案するドリー式ダブル連結トラックを活用し、共同幹線輸送および中継輸送の運用を22年3月から行っている。

 

関東~関西間で往復輸送、異業種の混載も

サントリーとダイキンは往復で運用

 業種を超えた連携も進んできた。サントリーグループとダイキン工業は7月から、鴻池運輸とNLJが運行するダブル連結トラックを共同で活用した関東圏~関西圏の拠点間往復輸送を開始。

 

 関東から関西圏へはサントリーグループの飲料製品を、関西圏から関東圏へはダイキンの空調製品を、輸送効率の良いダブル連結トラックに一部切り替えたもの。中継地点を設け、ドライバーを交替することで日帰り運行も可能としている。

 

 江崎グリコは9月から、キユーソー流通システム、NLJと協力し、ダブル連結トラックの運行を開始。関東~関西間で菓子を輸送し、兵庫県と神奈川県の中継拠点で、トレーラの連結・切り離しを行い、異業種の荷物を同時に輸送する取り組みを始めた。

 

輸送量と輸送分担率を今後10年程度で倍増へ

 

 国土交通省が11月22日に公表した、多様な輸送モードを活用した「新モーダルシフト」への対応方策では、鉄道や内航海運に加え、ダブル連結トラック、自動運転トラック、国内航空貨輸送の活用もモーダルシフトの対象に位置付けた。

 

 ダブル連結トラックと国内航空貨物輸送に関しては、輸送量と輸送分担率を今後10年程度で倍増させる目標を設定。具体的な輸送量目標値は示されなかったものの、ダブル連結トラックの導入拡大が見込まれる。

 

 なお、国交省は24年9月17日からダブル連結トラックの対象路線を拡充。北海道、首都高速、阪神高速での通行区間を追加するほか、上信越道、北陸道、中国道等でも拡充し、通行許可区間は計6330㎞となった。高速道路の専用駐車マスの整備も進めている。

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