荷役するコンテナや貨車を自動で認識

カーゴニュース 2025年3月27日 第5326号

話題
JR貨物/コマツ
経験に頼らない、正確・迅速なコンテナ荷役実現へ

共同開発した「ガイダンス・セミオート機能リフト」

2025/03/27 07:00
貨物鉄道・通運 効率化・改善 マテハン

 労働力不足やコンテナ積み替え作業の効率化・平準化対策として、JR貨物(本社・東京都渋谷区、犬飼新社長)とコマツ(本社・東京都港区、小川啓之社長兼CEO)が共同開発した「ガイダンス・セミオート機能付きフォークリフト」。昨年12月の東京貨物ターミナル駅(東京タ駅)への導入を皮切りに今後数十台の導入が予定されており、効果が期待されている。経験の浅いオペレータでも、コンテナ荷役を安全かつスピーディに行うことを目的に開発されたフォークリフトで、コマツの鈴木周志・開発本部車両第四開発センタフォークリフト開発グループチームマネージャーは「『安全・簡単・確実・疲れない』が開発コンセプトとなっている」と話す。開発にあたっては、JR貨物から熟練オペレータがメンバーに加わったほか、東京タ駅と吹田貨物ターミナル駅での実地検証を実施した。

 

ガイダンス表示と自動制御で作業をサポート

 

 「ガイダンス機能」は、コンテナを安全に保持し的確に荷役作業が行えるよう開発した機能。開発に際しては、人の目線を可視化する「アイトラッキング」を熟練オペレータに装着してもらい、実作業でどこを注視しているのかを解析する。その結果から、コンテナの端や緊締装置など、とくに注視すべき箇所や目視では視認しづらい箇所を前方3ヵ所のカメラが捕捉し、オペレータの負担を軽減する。

 

 さらに、フォークをコンテナ差込口に差し込む際は、距離センサーがコンテナまでの距離を計測し、差し込み不十分など不適正な状態で保持しようとした場合には警報を発する。また、コンテナを保持した際にはインジケータにチルトの水平面に対する角度を表示し、適正な作業をサポートする。

 

 一方「セミオート機能」は、コンテナ荷役時に対象のコンテナ等を自動で認識し、ステアリングと作業機を自動制御する機能。コンテナ荷役用のフォークリフトは一般的なフォークリフトに比べて大きく、車両感覚がつかみづらいため、経験が浅いと何度も切り返してしまうことも少なくない。この機能を用いることで、常に正しい位置に自動で誘導するほか、フォークを差込口の位置に自動制御するため、スムーズな荷役が期待できる。

対象のコンテナに自動で正対

早期育成、作業平準化目指し共同開発

 

 大きなコンテナが行き交う貨物駅構内では常に安全に配慮しなければならない。加えて、鉄道ダイヤを守るため荷役作業には効率性や迅速さも要求される。JR貨物では将来的な労働力不足も見据え、オペレータの早期育成や、経験に頼らず誰もが安全で正確・迅速にコンテナ荷役を行える方法を模索していた。そうしたJR貨物の課題に対し、コマツは建機向け車両で培ってきたセンサーや自動化の技術を応用したフォークリフトの開発を提案。両社共同で開発することとなった。

 

 検討と実証、改良を重ね、完成車両のデモを行った際は、多くの関係者から歓迎する声が寄せられたという。コマツの山代学・開発本部車両第四開発センタフォークリフト開発グループエキスパートエンジニアは「オペレータの方々に評価いただいたことは励みになる」と話す。また山代氏は「コンテナ荷役は夜間や雨天などの悪条件下でも的確に行わねばならず、経験に関係なくとくに神経を使うと思う。そのような環境でこそこのフォークリフトの強みが活かせるのではないか」と自信をのぞかせる。

 

 コマツでは今後もこのフォークリフトのさらなる改良を行っていきたいとしている。鈴木氏は「現在はコンテナに正対させるときステアリングと作業機は自動制御だが、前後進を含めアクセルは従来通りオペレータの操作が必要。こうした部分も自動制御できれば、今以上に安全が担保できる。より使いやすいフォークリフトの開発を目指したい」と力を込める。

鈴木氏(左)と山代氏
続きを読む

購読残数: / 本

この記事は登録会員限定です
この記事は有料購読者限定記事です。
別途お申し込みをお勧めします。
第一倉庫株式会社 日本通運 uprのピーアール。 鉄道貨物協会 第一工業株式会社 アライプロバンス ジェイエスキューブ プロテクティブスニーカー協会 センコン物流 TUNAG for LOGISTICS 国際物流総合展2025 富士物流のホームページにニュースを提供中!! ゼネテック 日通NECロジスティクス提供 物流用語集