カーゴニュース 2025年12月2日 第5392号
神奈川臨海鉄道(本社・川崎市川崎区、飯田聡社長)は11月20日、鉄道貨物輸送に対する理解の深化と利用の拡大を目的とした「2025かなりん横浜本牧駅鉄道コンテナ施設見学会」を開催した。当日は午前1部、午後2部の計3部制で開催し、合計で18社39人が参加。12ftコンテナや31ftコンテナなど各種鉄道コンテナの展示、リーチスタッカーを使った国際海上コンテナのコンテナ荷役デモンストレーションが行われ、鉄道コンテナ輸送の利活用とそのメリットについて説明した。
横浜本牧駅駅舎に場所を移して行われた説明会では、主催者を代表し、神奈川臨海鉄道の鈴木健一常務が挨拶に立ち、「鉄道輸送は、中長距離の輸送に強みがある。横浜本牧駅から宇都宮貨物ターミナル駅まで海上コンテナを輸送することができるので、北関東への輸送では優位性を発揮できる。鉄道を利用することで、トラックドライバー不足への対応や、環境にやさしい輸送モードとして、ゼロカーボンに貢献していることをPRできる」と述べた。
説明会では神奈川臨海鉄道の営業推進部が「横浜・川崎地区を利用する鉄道輸送について」と題しプレゼンテーションを行った。鉄道輸送の仕組みや料金体系、ネットワークを説明したうえで、そのメリットとして、CO2排出量がトラックの約11分の1である「環境性」、最大で大型トラック(10t)65台分に相当する量を一度に運べ、小口ロット貨物にも適している「効率性」、トラック輸送と比べ長距離輸送になるほどコストメリットが見込まれる「経済性」を挙げた。
鉄道コンテナの種類では、12ft汎用コンテナ、20ftコンテナ、冷蔵コンテナ、冷凍コンテナ、ISOタンクコンテナのほか、31ftウイングコンテナについては、「T11型パレットを約16枚積載でき、10tトラック1台分の貨物をそのままシフトできる。ウイングタイプでフォークリフトの作業もスムーズ」と利点を指摘。海上コンテナ(20ft、40ft)に関しては、鉄道輸送の条件として、①CSCプレート(安全認証銘板)が付いている②コンテナ使用期限内である③輸送前にコンテナ状態を事前に確認――などを挙げた。
貨物駅の紹介では、横浜本牧駅は駅構内にリーチスタッカーを配備し、31ftコンテナや海上コンテナ(20ft、40ft)を取り扱いできる希少性の高い駅であり、一方の本牧ふ頭駅は12ftコンテナのみの取り扱いだが、線路とストアレージ(一時保管場所)が隣接している特徴を説明。ストアレージでは鉄道コンテナと海上コンテナのバンニング、デバンニング(パレット貨物に限定)、貨物の一時保管をひとつの場所で完結できるとした。
輸送事例としては、「海上コンテナのまま鉄道輸送」、「ストアレージで鉄道コンテナに積み替えて輸送(デバン・オンレール)」、「海上コンテナから自社倉庫・近隣倉庫で鉄道コンテナに積み替えて輸送」など様々なパターンを報告。「モーダルシフトトライアル助成制度」についても紹介した。
続いて、横浜川崎国際港湾(YKIP)の営業部営業課による同社の取り組みが説明された。横浜・川崎港は北米東岸、中南米西岸へは日本唯一の寄港地となっており、内航コンテナ船が週36便定期寄港するなど充実したネットワークを有することを説明。トラック輸送から国際フィーダー・鉄道輸送への転換促進支援制度も紹介した。
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