カーゴニュース 2025年12月2日 第5392号
JR貨物グループの労働組合で構成するJR貨物労連(日本貨物鉄道労働組合連合会、村上貴史委員長)は11月24日、「第35回定期大会」を川崎市内のホテルで開催し、2025年度の運動方針や予算を決定した。
挨拶に立った村上委員長(JR貨物労組委員長)は、グループ会社の労働条件や職場環境の改善の必要性を強調したうえで、JR貨物の存立基盤について言及。「先日、財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会の分科会がJR貨物の抜本的な経営改革を提言した。発足から40年間、公的支援を受けながらも慢性的赤字が続く鉄道事業について、経営改善が進展していないとして改善を求めたものだ。JR貨物の経営基盤は確かに脆弱だが、経営自立が困難であることは発足当初から分かっていたことであり、だからこそ分割民営時に生命維持装置である様々なスキームがつくられた。また、公的資金を受けながらと言うが、その額はJR北海道やJR四国に比べて微々たるものに過ぎない。そのような会社が労使協調のもと、40年かけてここまでやってきた。それを今になって抜本的改革と言われても『何を言っているのか』と言いたくなる」と述べ、今後はJR総連と連携しながら、関係国会議員への働きかけを強めていく考えを示した。
また、2026春闘について「連合は5%以上の賃上げ要求方針を決定した。JR総連としての具体的な方針は今後、中央委員会で決定されるが、グループ会社を含めた労連に運動の波及効果を生み出すという方針が示されている」として、グループ会社と一体となって春闘を進めていく考えを強調した。
大会には、JR総連の山口浩治委員長、JR貨物の高橋秀仁取締役兼執行役員、JR貨物グループ企業会の吉澤淳会長(全国通運社長)らが来賓として出席。このうちJR貨物の高橋氏は、26年3月期上期の決算について「鉄道事業の輸送量は104・2%となったことで運輸収入が増収となり、全体でも増収増益となった。グループを挙げて増収、コスト削減に取り組んだ結果であり、皆さんに感謝する。下期についても、31ftコンテナの最大活用や空回送コンテナの積荷化に向けたマッチング強化など、営業活動を粘り強く続けることで計画を達成したい。また、JR貨物ロジ・ソリューションズとの共同営業による成約案件も出てきており、総合物流の営業活動も積極化していく」と報告。労使関係については「会社発足以来、真摯な議論を続けた結果、確固たる信頼関係を築きあげてきた。引き続き労使で活発な議論を行い、社会から日必要とされる企業グループを目指していきたい」と述べた。
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