カーゴニュース 2025年4月17日 第5332号
全日本運輸産業労働組合連合会(運輸労連、成田幸隆中央執行委員長)は11日、第3回「全国単組労使懇談会」を都内のホテルで開催した。現在の物流が直面する様々な課題について労組・企業の意見交換を通じて対策につなげることを目的とした会合で、昨年4月に続き開催したもの。
全国単組10組合と運輸労連中央本部、10社の経営トップが参加した。
全国単組からは、全日通労組・竹田好孝中央副執行委員長、ヤマト運輸労組・森下明利中央執行委員長、トナミ運輸労組・金作大輔中央執行委員長、JPロジスティクス労組・前中一起中央執行委員長、名鉄運輸労組・森辰也中央執行委員長、全新潟運輸労組・丸山敏明中央執行委員長、丸全昭和運輸労組・金田祥吾中央執行委員長、ロジスティード労組・松江知也中央執行委員長、愛知陸運労組・榑林勉執行委員長、エスラインギフ労組・子安宗俊執行委員長が出席。
運輸労連本部からは成田委員長をはじめ、世永正伸中央副執行委員長、福本明彦中央副執行委員長、杉山豊隆中央書記長、今井瑞希中央書記次長、大原猛中央書記次長、入倉裕介中央書記次長、亀田幸雄中央書記次長、坂井俊文中央書記次長らが出席した。
企業側からは、日本通運・竹添進二郎社長ほか1人、ヤマト運輸・阿波誠一社長ほか1人、トナミ運輸・髙田和夫社長ほか1人、JPロジスティクス・安達章社長ほか2人、名鉄NX運輸・吉川拓雄社長ほか1人、新潟運輸・坂井操社長ほか1人、丸全昭和運輸・安藤雄一取締役専務執行役員ほか1人、ロジスティード・西川和宏副社長兼ロジスティードジャパンカンパニー社長ほか2人、愛知陸運・山崎義雄社長ほか1人、エスラインギフ・堀江繁幸社長ほか1人が参加した。
「2024年問題」の根幹は労働環境改善にある
開会にあたって挨拶に立った成田委員長は、2025年春闘について「4月9日現在で妥結した195組合の賃上げ額は単純平均で7792円、加重平均で1万3495円となり大幅な増額となった。本日懇談会に参加した全国単組では単純平均1万1965円、加重平均1万3879円となり、この数値は過去30年で最高の解決額となった。ただ、連合の第3回集計での平均賃上げ額は1万7358円(5・42%増)となっており、産業間の格差は広がっている」と指摘。格差是正を推進するためにも来年以降もさらなる賃上げが必要だと強調した。また「物流の『2024年問題』の根幹は労働環境の改善であり、労働時間削減や賃金引き上げを図るための制度づくりや、荷主・消費者の意識改革が必要不可欠だ」と訴えた。加えて「業界構造の改善に向け、これまで運輸労連は事業更新制の導入を提言しており、昨年12月に全日本トラック協会が更新制導入を図るため貨物自動車運送事業法を議員立法により今国会で改正すべきだと主張した。労働組合としても賛同する立場から運輸労連の議員懇談会参加議員を通じて我々の考えを反映させていく」と述べた。
続いてトナミ運輸の髙田社長が挨拶に立ち「物流産業の担い手はエッセンシャルワーカーである一方、深刻なドライバー不足が生じている。若年層に支持される業界づくりが必要だ。加えて、軽油価格の高騰など輸送コストの上昇分を適切に価格転嫁することが喫緊の課題であり、取引環境の改善は待ったなしの状況だ。物流業界に若者が集まり、安心・安全な職場環境となるよう業界全体でスクラムを組んでいこう」と呼びかけた。
その後、国土交通省物流・自動車局の鶴田浩久局長が講師となり記念講演を行った。講演終了後は会場を移して懇親会を開き、労使間で率直な意見交換を行った。
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