カーゴニュース 2025年4月22日 第5333号
JR貨物(本社・東京都渋谷区、犬飼新社長)の3月の輸送実績は、コンテナが前年同月比4・5%増の180万t、車扱が3・4%減の78万6000tとなり、合計では1・9%増の258万7000tとなった。
コンテナの品目別では、エコ関連物資がリニア中央新幹線建設工事に伴う発生土の運搬により前年を上回った。また、食料工業品は一部顧客で鉄道シフトが続いた清涼飲料水や値上げ前の駆け込み需要が見られたビール類が増送となった。紙・パルプは一部顧客の鉄道シフトにより前年を上回った。
車扱は、石油がガソリンおよび軽油を中心に堅調な荷動きが続いた一方、23年は気温の低い日が多く灯油の需要が旺盛だったことから、今年は反動により前年を下回った。
2024年度の累計実績では、コンテナが前年度比2・8%増の1861万7000t、車扱が1・4%増の853万tとなり、合計では2・4%増の2714万8000tとなった。8月の台風10号の影響や輪軸組立作業での不正行為などの影響が大きかったものの、「2024年問題」などを踏まえた鉄道シフトの進展が輸送実績を押し上げた。コンテナ品目別では、エコ関連物資がリニア中央新幹線建設工事での発生土の運搬で前年から43・0%増となったほか、食料工業品や紙・パルプは一部顧客の鉄道シフトにより増送となった。車扱では、石油でガソリンおよび軽油の荷動きが年間を通じて堅調だったほか、セメントが顧客工場の定期修繕計画の変更などにより、前年実績を上回った。
今年度は不正撲滅・総合物流・不動産事業に注力
16日に行われた会見で犬飼社長は、今年度のスタートにあたり、先月発表した事業計画の中で特に重視している取り組みとして、最初に「不正事案の撲滅」を挙げ、「グループ全体で安全輸送、安定輸送に向けてしっかりと取り組んでいきたい」と強調した。次に「『2024年問題』が2年目に入った。国が助成している31ftコンテナの増送や、総合物流企業グループとなることを目指して設立した『JR貨物ロジ・ソリューションズ』を中心とした総合物流の推進によって、鉄道の利用増をしっかりと進めていく」と述べた。
さらに、先月参入を発表した回転型不動産ビジネスを柱に、不動産事業も注力していくとしたうえで「経営基盤を強化するにあたりコーポレート・ガバナンスをしっかりと整えて、安定したグループ経営に取り組んでいく」と語った。
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