カーゴニュース 2025年5月20日 第5339号
JR貨物(本社・東京都渋谷区、犬飼新社長)の2025年3月期連結業績は、売上高が2007億円(前期比6・5%増)、営業利益が27億円(前期は47億円の損失)、経常利益が14億円(同42億円の損失)、当期純利益が67億円(同35億円の損失)となり、22年3月期以来3期ぶりに経常黒字に転換した。売上高が2000億円を上回るのは08年度以来となる。昨年4月に実施した運賃改定効果や輸送量の増加により運輸収入が増加。電力単価の高騰による動力費の増加があったものの、増収効果が吸収した。
連結のセグメント別実績は、鉄道ロジスティクス事業が売上高1804億円となり、前期から107億円の増収。営業利益は85億円の赤字だが、152億円の損失を計上した前期から大幅に改善した。台風など自然災害による輸送障害や輪軸不正による輸送力の低下などがあったものの、「2024年問題」を背景にした鉄道モーダルシフトの進展で、コンテナと車扱合計の輸送量は前期比2・4%増となった。さらに昨年4月に鉄道基本運賃を6%引き上げた効果もあり、鉄道運輸収入が大幅に増えた。なお、自然災害と輪軸不正による減収影響額は約33億9000万円だった。
不動産事業は、売上高218億円(7・3%増)、営業利益108億円(9・8%増)。福岡市長浜地区で開発した商業施設が昨年8月に開業したほか、分譲マンション販売や土地売却などにより増収増益となった。
単体業績は、売上高1622億円(6・4%増)、営業利益6億円(前期は67億円の損失)、経常損失8億円(同62億円の損失)、当期純利益53億円(同47億円の損失)。売上高は19年度以来5期ぶりに1600億円を上回ったほか、利益面も大幅に回復したが、経常赤字は継続した。
13日に会見した経営統括本部長の篠部武嗣・取締役常務執行役員(写真)は「24年度は『2024年問題』の初年度であり、大きな追い風が期待されたが、自然災害に加えて輪軸不正を起こしてしまい、流れに水を差してしまった。輸送量は対前年プラスとなったが、本来ならば5%を超える伸びを実現すべきだった」と振り返った。
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