「下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律案」(下請法・下請振興法改正法)が16日の参議院本会議で可決し、成立した。改正法では協議を経ない一方的な代金額の決定を禁止する規定を設けたほか、無償の荷待ちや荷役時間といった物流問題に機動的な対応を図るため、規制対象に運送委託を追加した。2026年1月1日に施行される。
荷主・物流事業者間で生じている無償での荷役や荷待ちは、従来、独占禁止法上の物流特殊指定で対応し、下請法の対象外となっていた。今回の改正では、発荷主が運送事業者に対して物品の運送を委託する取引を、現行の「物品の運送の再委託」に加えて、下請法の規制対象とし、機動的な対応を図れるようにする。
このほか、協議を適切に行わない代金額の決定を禁止。中小受託事業者から価格協議の求めがあったにもかかわらず、協議に応じなかったり、委託事業者が必要な説明を行わなかったりするなど、一方的に代金額を決定し、中小受託事業者の利益を不当に害する行為を禁止する規定を新設した。
また、下請という言葉が上下関係をイメージさせるとし、「下請事業者」を「中小受託事業者」、「親事業者」を「委託事業者」に用語を見直す。これに伴い「下請代金支払遅延等防止法」を「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」に、「下請中小企業振興法」を「受託中小企業振興法」に改める。
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