カーゴニュース 2025年9月16日 第5371号
東京港青海ふ頭の青海公共ターミナルで8日、システム障害によるゲートの長時間待機が発生した。混雑により深夜にゲート作業が打ち切られ、10時間以上ゲートに並んだにもかかわらず、コンテナを搬出できず、翌日の業務にも支障をきたしている。海上コンテナドレージ会社からは、ターミナルでの待機を「荷待ち」と見なす国土交通省の見解に沿って、待機料を請求する動きも出てきているという。
“無収入”で拘束時間オーバー、翌日業務できず
青海公共ターミナルで起きたシステム障害により、ゲート受付がマニュアル対応となり、処理能力が大きく低下したことでゲートが混雑。「東京港ポータルサイト」を通じ、搬出受付を午後9時30分に打ち切ることが発表され、8日当日はゲートへの並びをあえて避けた会社もあった。
翌9日も混乱は解消せず、あるドレージ会社の午前8時30分に並んだ車両がゲートアウトしたのは午後9時30分。深夜3時にゲート作業が打ち切りとなった。ゲートに並んでいた車両はコンテナ搬出できないまま帰らざるを得なくなり、多くのケースで1日の拘束時間をオーバーし、翌日の業務を行えなくなった。
「海コンドレージはコンテナを港から積んで、客先に届け、コンテナを返却して初めて売上になる。今回のようにターミナルで長時間待たされると、何百台もの車両が1日ただ並んだだけでその日はおしまいとなり、稼ぎはゼロになってしまう」とドレージ会社の幹部は指摘し、荷主の理解の必要性を訴える。
海貨業者に7~8万円の待機料請求も?
国土交通省ではこれまでコンテナターミナルでの待機についても「荷待ち」と見なし、待機料を荷主(真荷主または直接の発注者である海貨業者)に請求できるとの見解を示している。また、国が定めた「標準的運賃」では、トレーラの待機料について30分ごとに「2200円」と定められている。
あるドレージ会社の営業担当は、「待機料を払ってくれる荷主はなく、交渉して何とか帰りの高速料金を支払ってくれるかどうか」と打ち明ける。その一方で、別のドレージ会社は一部の海貨業者から、通常の運賃にプラスして待機に関する補填の申し出があるなど理解も進みつつあるという。
「ドレージ会社から海貨業者に対し、7~8万円の待機料請求が殺到している」――。こんな声も聞こえてきた。国交省の見解に従い、ドレージ会社が待機料収受に本格的に乗り出したことがうかがえる。ただ、海貨業者が待機料を真荷主に転嫁するのは難しく、青海公共ターミナルからの搬出入依頼を断ることで対応を図っているようだ。
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