累計1000台を超えた軽トラック処分

カーゴニュース 2025年11月11日 第5386号

FOCUS
日本郵便の軽車両停止、累計1000台超に

〝分散処分〟に手法として違和感の声も

2025/11/10 17:00
全文公開記事 FOCUS 宅配・ラストワンマイル 安全・BCP

 日本郵便(本社・東京都千代田区、小池信也社長)の点呼不正問題で、国土交通省による処分が続いている。10月1日以降、特別監査で違反が確認された郵便局に順次、貨物軽車両の使用停止処分を通知しており、今月5日に行った通知で処分された郵便局は651局、車両数は累計で1131台に達した。今後も毎週100局前後のペースで処分が通知され、最終的な処分局数は2000局を超える見通しだが、物流業界関係者からは「毎週同じペースで処分されるのは、日本郵便の事業継続を間接的にサポートしているように見える」と処分方法に対する違和感を指摘する声も出てきた。

 

毎週100局ペースで処分通知、越年へ

 

 今月5日付で処分が通知されたのは、全国104の郵便局に所属する159台の軽バンなど軽車両。運輸局別の内訳は、北海道(9郵便局・25台)、東北(15郵便局・22台)、関東(12郵便局・18台)、北陸信越(10郵便局・22台)、中部(12郵便局・17台)、近畿(9郵便局・13台)、中国(9郵便局・10台)、四国(3郵便局・4台)、九州(25郵便局・28台)。

 

 10月1日から始まった処分通知は毎週実施され、今回が6回目。処分された郵便局は累計で651局、車両数は1131台に達している。毎回、100~110の郵便局が対象となっており、使用停止処分を受けた軽車両も150台~220台の範囲となっている。

 

 国交省では今後も毎週100局前後の郵便局を対象に処分を通知していく方針。日本郵便が3月に公表した内部調査結果では、計2391局で点呼違反が確認されており、処分通知は越年し、来年3月頃まで続くことになりそうだ。

地方運輸局の監査部門は日本郵便事案で忙殺

 

 国交省がこうしたペースで処分を続けているのは、地方運輸局で監査業務を担う人員数の問題がある。人的リソースに限界があるなかで、違反があったとされる郵便局に特別監査に入り処分内容を固めていくプロセスには膨大な時間がかかる。

 

 車両使用停止処分の場合、各運輸支局から処分通知を受けた郵便局は、対象車両の車検証とナンバープレートを返納しなければならず、そうした手続きを経た後、通知から1週間後に実際の処分が開始される。

 

 日本郵便の不正点呼事案が発覚した今春以降、地方運輸局の監査部門は同社の対応に追われており、担当者からは「ほぼ日本郵便の事案で忙殺されている」「他の事業者の監査業務などが停滞している」といった声が出ている。

 

処分時期をずらすことで事業継続をサポートか

 

 とはいえ、毎週100局のペースで処分が行う手法に、違和感を指摘するトラック事業者もいるようだ。日本郵便は使用停止を受けた車両の代替戦力を外部委託と近隣郵便局の応援でカバーする方針で、現時点で郵便や荷物の集配に大きな混乱は起きていないとしている。

 

 だが、処分時期を分散化する手法が「〝喪〟が明けた郵便局の車両が近隣の郵便局の応援に回りやすくしているのではないか」「ユニバーサルサービスの提供義務のために、行政が〝手ごころ〟を加えているようにも見える」といった声があるほか、「純民間業者が同じような違反をした場合も、こうした処分のやり方になるのか」という疑問を呈する業界関係者も少なくないようだ。

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