大櫛会長

カーゴニュース 2025年12月18日 第5397号

日本の食を支えるインフラ クローズアップ”冷蔵倉庫

日冷倉協/年末記者会見
特定技能・育成就労に物流倉庫分野追加へ

全国の冷蔵倉庫の庫腹占有率は高水準

2025/12/17 16:00
全文公開記事 倉庫・物流施設 団体

 日本冷蔵倉庫協会(大櫛顕也会長)は11日、年末記者会見を開き、大櫛会長ほか、田中一範総務委員長、西川公人業務委員長、梅澤一彦環境・安全委員長、土屋知省理事長が各委員会の活動報告を行った。

 

 大櫛会長は、「『2024年問題』のトラックドライバー不足から物流効率化法が改正された。法律は施行されているが、現場の状況も様々であり、今後どのようになっていくか注視する必要がある。人手不足については運送業界だけでなく全産業で大きな問題であり、冷蔵倉庫・倉庫業界も同様だ。現在、日本倉庫協会、全日本トラック協会と協力し、国土交通省の指導のもと、外国人材に関する特定技能、育成就労制度への物流倉庫分野の追加に向けて作業を進めている。また、従来から取り組んでいるフロン冷媒の自然冷媒化の推進、電力の安定供給と価格安定などの問題については、これまで同様、行政、政治に働きかけを行っており、11月の自民党物流倉庫振興推進議員連盟の総会でも要望書を提出した。2026年度も必要な予算が確保されることを期待している。速やかな解決を図りにくい課題が多い冷蔵倉庫事業だが、食料のサプライチェーンにとってなくてはならない重要な社会インフラであり、さらに前進していきたい」と挨拶した。

 

予約システム、時間的制約で非効率生む可能性も

 

 改正物流効率化法に関する意見として西川氏は、「冷蔵倉庫業界に対し物流効率化に向けた取り組みが求められ、荷待ち時間、荷役時間の短縮、積載率の向上といった取り組みが明確に示されたことで、冷蔵倉庫業界でもバース管理・予約システムの導入を進めている。首都圏、関西圏など混雑しているエリアの冷蔵倉庫ではほとんどの事業所で予約システムがすでに導入されていると聞いている」と報告。「しかし、予約システムは万能ではない。予約制は混雑を平準化し、作業を効率化するための有効な手段である一方、必ずしもドライバーにとって最適ではない。予約という絶対的な時間指定はドライバーに対し、強い時間的制約を与え、結果として非効率を生む可能性がある。とくに冷蔵冷凍品の物流では、近隣の冷蔵倉庫を巡回するケースが多く、あえて時間を固定しない方が全体最適になる場合もある。この実態が十分に理解されていないということを強く指摘しておきたい」と語った。

 

 さらに、「入出庫の予定についても誤解がある」との見方を示し、「一般的に入出庫のスケジュールを決めるのは運送事業者と寄託者であり、倉庫事業者が自由に物流の流れをコントロールできるわけではない。どれだけ倉庫側が効率化を進めても、寄託者の指示、運送事業者の制約によって設備の能力を超える物量が集中すると、結果として、待ち時間が長くなってしまうことがある」と指摘。「倉庫事業者の直接の顧客は寄託者で、運送事業者の顧客は荷主で、寄託者と荷主が同じ企業であるとは限らない。倉庫事業者としては、荷主が誰であるかを把握できないケースがあり、寄託者から届く情報は多くの場合、運送便のみで、それが元請けなのか下請なのかわからないこともある。そうした状況で倉庫から荷主に連絡することは、寄託者と荷主が同一の場合を除けば、通常は行われない。その調整に我々は膨大な時間と手間を要しており、待機問題が悪化することにもつながりかねない」と問題への理解を求めた。

 

 そのうえで、荷待ち・荷役時間短縮への業界の取り組みも紹介し、「積載量、車数、車種などを含めて定点観測を行い、データの可視化・管理を通じ定量的にボトルネックを把握し、寄託者や運送事業者と改善を進めやすくする土台が整いつつある。荷待ち・荷役時間の短縮は倉庫だけの努力では解決できず、寄託者、荷主、運送事業者、倉庫事業者などすべての関係者が自分事として取り組まなければ改善は実現しない。その共通認識を持つことが、改正物流効率化法の精神に沿った最も重要なポイントだと考えている」と述べた。

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