カーゴニュース 2026年6月30日 第5447号
EC大手のアスクル(本社・東京都江東区、吉岡晃社長)は、事業所向けの「ASKUL」および個人向け「LOHACO」のECサイトを展開、取り扱い商品数は約1500万点にのぼる。全国の顧客へ当日および翌日配送を実現するラストワンマイル配送では、約7割を独自の配車システムにより管理して、高品質な物流サービスを展開している。
また、配送とともに物流品質を支えているのが全国10ヵ所に展開する物流センターだ。関東と関西2拠点のワイドディストリビューションセンター(WDC)を中心とし、他8ヵ所のLDC(ローカルディストリビューションセンター)とともに全国ネットワークを形成する。
近年、同社の物流センターでは「取り扱い品目の拡充」や「働きやすい職場づくり」へ向けて最新鋭のマテハン機器の導入を進め、自動化によるさらなる効率化を実現している。
「全体最適」につながる「自動化」を推進
自動化への考え方について、CLO執行役員ロジスティクス本部本部長の池田和幸氏は「ビッグデータを分析し『どこを自動化すると、サービスレベルの向上や作業負担低減に効果的か』を検討し判断している。気を付けたいのが、1ヵ所のみに自動化が偏ると逆に全体バランスが崩れてしまう点。バリューチェーンの全体最適が重要だ」と説明する。
このような考えから、同社の各物流センターではそれぞれの特性に応じたマテハン機器が導入されている。入荷から棚入れでは「パレット搬送AGV」の導入、ピッキングでは「GTP」(Goods to person)や「PopPick(ポップピック)」「ピッキングロボット」、方面別仕分けには「デパレタイズロボット」や「t-Sort(ティーソート)」など、多様なマテハン機器が全国で稼働中だ。
池田氏は「お客様サービスの観点から、複数の商品をできるだけ一梱包にまとめるようにしている。その上でのクイックデリバリーが基本」とし、マテハン機器の導入についても、「様々な特性の商品を一梱包にまとめると同時に、速度と正確性を担保するには、マテハン機器を色々と組み合わせる必要がある。そういった意味で、高頻度品からロングテール品までを幅広く扱うWDCでは機器のバリエーションがより多くなる」と説明する。
ロングテール品の翌日配送を担う「ASKUL関西DC」
WDCであるASKUL関西DCは、地上4階建て、敷地面積約7万5000㎡、延床面積約16万5000㎡の同社最大級の物流センター。ロングテール品を含む「ASKUL」および「LOHACO」の商品出荷を担っている。
同センターの自動化推進について、ロジスティクス本部ロジスティクステクノロジー統括部長の川久保隼人氏は「近年はサービスレベルの向上に向けて、ロングテール品の拡充に注力している。その過程でSKUが増えてくるとともに、庫内オペレーションも進化させる必要があり、マテハン機器の追加導入を進めてきた」と説明する。
2018年に開所した同センターは、その後の23年にロングテール品の保管およびピッキング用に「PopPick」の部分導入を開始。続く24年春には「PopPick」318台が全面稼働を開始した。さらに同7月には出荷・仕分けエリアに「t-Sort」を導入、と段階的に自動化を進めてきた経緯がある。現在ASKUL関西DCは、商品在庫数33万SKUを目指し、西日本地区のロングテール品の翌日発送を担う基幹物流センターとしてアップデートしている。
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