カーゴニュース 2026年6月30日 第5447号

アスクル/ASKUL関西DC
ロングテール品の翌日配送を実現する基幹センター

「PopPick」「t-Sort」で自動化をアップデート

2026/06/29 16:00
全文公開記事

「パレット搬送AGV」で入荷エリアの効率化を実現

 

 商品の入荷から出荷までの一連の流れのなかで、ASKUL関西DCの代表的なマテハン機器を紹介する。

 

 高頻度品の入荷エリアでは「パレット搬送AGV」による自動化が進んでいる。トラックバースに荷降ろしされた高頻度品をスタッフがパレットに積み付ける。商品を積み付けられたパレットは移載機により「パレット搬送AGV」にセットされ、自動倉庫への投入口まで搬送される。

 

 同社ではこれまで同搬送を人手で行っていたが、入荷量の多い同センターでは大幅な非効率につながるため「パレット搬送AGV」を導入し、効率化に加えて作業負荷低減を実現した。

 

 また同エリアでは入荷を「平準化」させ作業量を安定させるとともに、パレタイズや投入作業を行う場所を「定点化」し生産性の向上を図っている。川久保氏は「平準化によりトラックの待機時間も短くなる。また、定点化することで今後自動化を進めていく際『ヒト作業のマテハンへの置き換え』がスムーズに進む」と説明する。

「パレット搬送AGV」で入荷エリアを自動化
「GTP」でピッキングの生産性を向上

高頻度品の「GTP」ピッキングでは高生産性を実現

 

 自動倉庫に格納された、高頻度品は出荷オーダーに基づき、「GTP」へ送られてピッキングされる。「GTP」は同センターの開所時から稼働する保管・ピッキング用のマテハン機器だ。「GTP」の導入により、スタッフは長い距離を歩いて作業をする必要がなくなり、手元の作業に集中できることから生産性は大幅に向上した。

 

 ピッキングの工程で高頻度品は、さらに頻度別に「A品、B品、C品」の3ラインへ分けられる。これにあわせて「GTP」も3種類にカスタマイズすることで、処理能力を最適化している。

 

 スタッフのピッキング作業は、左側コンテナの商品をスキャンして右側コンテナへと移し替えるだけとなる。ピッキングされた商品はコンベヤ搬送され「荷揃えシャトルシステム」へ送られていく。

「PopPick」のピッキングはGTP方式

「PopPick」は在庫拡充に大きく貢献

 

 一方のロングテール品は、高頻度品とは別のバースに入荷して保管・ピッキング用のマテハン機器「PopPick」へと収納される。全高3・8mの「PopPick」は、設置時の通路も不要となることから高い収納力を持つ。このことで、同社が進めてきたロングテール品の拡充に大きく貢献している。また、ピッキング作業面においても、ステーションでピッキングが完結する〝GTP方式〟となるうえ、PopPick」が自律的に、蓄積された出荷データに基づき、棚のレイアウトと収納商品の入れ替えを最適化するため、効率的なピッキング作業が実現する。 

 

 川久保氏は「入庫およびピッキング作業をするステーションを入荷・出荷で使い分け、物流の波動などにも柔軟に対応できる」と説明する。

 

「t-Sort」は仕分けエリアの搬送を自動化

 

 高頻度品とロングテール品がそれぞれピッキングされた後、「荷揃えシャトルシステム」にて顧客別に揃えられ、包装、梱包、封函を経て出荷・仕分けエリアまでコンベヤにより搬送され、配送方面別に仕分けられ出荷される。

 

 出荷・仕分けエリアでは、搬送の工程を小型AGV「t-Sort」が自動化する。顧客向けのダンボールが搬出口より「t-Sort」に積載されると、「t-Sort」は各方面別に向けて敷かれた専用レーンで搬送を繰り返す。これにより、人手による搬送が削減される上、搬出口に集中する出荷ダンボールを手早く仕分けられるため生産性が向上している。

 

 川久保氏は「現在は出荷品のほぼ半数の搬送を自動化しているが、将来的には全面展開も視野に入れている」と今後を展望する。

  

出荷ダンボールを「t-Sort」に積み付ける
「t-Sort」が搬送方面別仕分けを自動化

「ビッグデータ」を活用し「商品デザイン」も物流向けに

 

 同社の物流における今後のビジョンについて、池田氏は「おかげ様で事業所向けのECでは当社はトップクラスとなるが、そこから得られるビッグデータを持つことが大きな強みのひとつだ。このデータを基に、物流センターの自動化はもとより、物流センター在庫の最適配置、配送ドライバー向けのアプリケーションの改善など多方面につなげていく。例えば当社のPB(プライベートブランド)の開発においても、データを活用し『梱包しやすい商品』を数多く生み出している。商品のサイズはもちろん、梱包される時の組み合わせなども踏まえ開発している。『扱いやすい』『運びやすい』商品が増えることで、お客様はもちろん、配送ドライバーや物流センタースタッフの利便性にもつながっていくと思う。このような活動を今後も継続し、バリューチェーン全体の最適化に物流部門から貢献していく」と今後の抱負を語る。

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