コンテナ清掃・洗浄問題解決への取り組みイメージ

カーゴニュース 2026年7月9日 第5450号

国際物流のラストワンマイル ドレージ問題の解決に迫る!

FOCUS
名古屋港
コンテナ洗浄問題解決へトラック・港運業界が連携

荷主向けにリーフレット作成、商慣習を見直し

2026/07/08 17:00
全文公開記事 FOCUS トラック輸送 海運

 荷主や船社に代わって、海上コンテナを輸送するドライバーが返却前のコンテナを清掃・洗浄する名古屋港特有の商慣習の見直しに向け、トラック業界と港運業界が連携して解決に乗り出す。コンテナの汚れはドライバーに帰する責任ではないとの共通認識を確立し、ドライバーが返却するすべてのコンテナをバンプールが無条件で引き取る仕組みへの移行を目指す。荷主がトラック事業者に清掃・洗浄を依頼する場合は、有償化を定着させる。近々、愛知県トラック協会海上コンテナ部会(山本敦部会長)では、新たなリーフレットを作成・配布し、荷主への周知を図り、意識改革を促す。

 

「汚れがない状態で返却」は荷主の責任

 

 名古屋港では輸入で使ったコンテナをコンテナターミナルやバンプールに返却する前に、海上コンテナを輸送するドライバーが清掃・洗浄するローカルな商慣習がある。名古屋港は輸出港であるため、輸入で使ったコンテナが輸出にそのまま転用されるケースが多く、コンテナの返却先であるコンテナターミナルやバンプールは、汚れや固縛の残り、ラベルなどが取り除かれた状態のコンテナしか返却を受け付けないことから、ドライバーが清掃・洗浄を行ったうえで返却する商慣習が根付いている。


 ただ、国際複合一貫輸送約款では、コンテナについて「荷主は、汚れがない状態で返却する責任を負う」と規定されており、貨物に起因する汚れは約款上、荷主が清掃・洗浄を行うこととされている。海上コンテナ輸送会社は、コンテナの汚れ等について本来責任を負っていないが、貨物に起因する、起因しないに関わらず、汚れがそのままになっていると、コンテナをバンプールに返却に行った際、差し戻されることがあるため、ドライバーがコンテナの返却前に清掃・洗浄を行っている。

 

洗浄は「附帯作業」、適正な対価収受が必要

 

 ドライバーがコンテナを清掃・洗浄することは、運送にかかわる「附帯作業」に位置付けられる。ドライバーの労働時間規制強化への対応や負荷軽減の観点から、あらゆる附帯作業は見直し圧力が強まっているだけでなく、附帯作業を行う場合には適正な対価の収受が求められる。ドレージの需給がひっ迫し、ドライバーは「運転」に専念することが望ましいとされるなか、愛ト協海コン部会では長年の懸案事項だったコンテナ清掃・洗浄問題を根本的に解決するため、昨年から行政や港運関係者との協議を本格化させている。


 1月に愛ト協海コン部会、名古屋港運協会(ターミナル部会、CFS部会、輸入部会)、行政(中部運輸局自動車交通部、同海事振興部、中部地方整備局、名古屋港管理組合)などをメンバーとする「推進会議」を発足。その後、民間事業者が参加する「コンテナ清掃・洗浄問題等付帯作業改善に向けた実務担当者会議」を立ち上げ、6月までに計3回の会合を開き、コンテナ清掃・洗浄等附帯作業に関する判断基準や今後の方針などについて協議を進めている。

ドライバーによる「附帯作業」削減が求められる

受け取り拒否なくし洗浄の削減を目指す

 

 具体的には、バンプールへの返却時にコンテナの受け取り拒否をなくすことで、トラック事業者、ドライバーによる洗浄の削減を目指す。コンテナの状態に対しトラック事業者、ドライバーは本来的に責任を負わないため、関係者間で「すべてのコンテナはバンプールに返却されるもの」という認識の共有を目指す。コンテナの汚れが貨物に起因しない場合は、ドライバーは洗浄せず、バンプールに無条件で返却。貨物に起因する汚れについて、荷主がトラック事業者に清掃・洗浄を依頼する場合には有償で対応する。

 

 愛ト協海コン部会では荷主向けに新たなリーフレットを作成し、近く完成・配布する。リーフレットにはコンテナの清掃・洗浄に関する判断基準を盛り込むことも検討。リーフレット等資料については、海コン部会HPをはじめ関係団体のWebによる閲覧や、ダウンロード・印刷して荷主や納品先にも渡せるようにする考え。荷主に対しては、コンテナの汚れに関する再認識や汚れを把握した場合の適切な対応を促す。

 愛ト協が実施した調査では、ドライバーがコンテナを洗浄する理由として、「(バンプールでの)返却拒否による並び直し回避のため『念のため』」という回答が約4割あった。「念のため」洗浄をなくすため、輸入がメインの鍋田ふ頭コンテナターミナル(NUCT)で、すべての空コンテナを差し戻しなしで引き取るトライアルを行い、他のバンプールへの横展開も視野に入れる。「床面が掃除されていなかった(掃除が不十分)」との回答も4割弱あり、荷主側で掃き掃除を行う“配慮”も求めていく。

 

 愛ト協海コン部会では、ドライバーによる洗浄作業が15分と仮定し、それがなくなれば、年間で約5億円のコストを削減し、1万2500台(月間1041台)の車両確保につながると試算する。今回、バンプールを運営する港運業界と連携して取り組む背景のひとつとして山本部会長は、「バンプール側でも『コンテナが濡れた状態で返却されるとかえって乾かす手間がかかる』といった声があることがわかった」とし、コンテナの洗浄削減に向けた意見の一致が見られたという。

続きを読む

購読残数: / 本

この記事は登録会員限定です
この記事は有料購読者限定記事です。
別途お申し込みをお勧めします。
  • バックナンバー

日付で探す

* 毎週火曜日・木曜日発行。(祝日は休刊)

第一倉庫株式会社 日本通運 uprのピーアール。 鉄道貨物協会 第一工業株式会社 アライプロバンス ジェイエスキューブ Logie-Tech Tokyo 2026 富士物流のホームページにニュースを提供中!! 日通NECロジスティクス提供 物流用語集