カーゴニュース 2026年8月18日 第5459号
持続的な事業運営へ他社との協業を加速
――今後、他社と差別化を図っていくうえでどういった部分を〝強み〟としていきますか。
富田 当社の一番の強みは「現場力」だと考えています。たとえば、物流センターの運営を物流事業者が引き受ける際、新しいセンターをゼロから動かしていくのと、すでに別の物流事業者が運営していたセンターの業務を新たに引き継ぐのとでは、労力が全く異なります。当社は新しいセンターをゼロから立ち上げ、運営していく「現場力」についてはナンバーワンだと自負しています。この「現場力」とは基本的な仕事を確実にやりきるための強さであり、現場のスタッフひとりひとりが持つ責任感や仕事へのモチベーション、スタッフ同士のコミュニケーションの活発さなどがそれと言えます。
私は20年に当社へ配属となりましたが、その際に驚いたのは、他の営業所からスタッフが現場へ応援に駆けつけた際、「ありがとう」「お互い様だから」といった会話が当たり前に行われていたことです。こうしたスタッフが働いている会社は仕事を確実にやりきる責任感や実行力があり、間違いなくそれは強みになると感じました。
――最後に富田社長が目指す会社の将来像やビジョンについてお聞かせください。
富田 物流会社の使命とは事業を継続することだと考えています。現代は人口減少や地球温暖化、加えてメーカーの施設老朽化に伴う生産拠点の再配置など、我々の輸送事業に大きく影響する変化が次々と起きていますので、そうした変化に柔軟に対応できないようでは、事業継続はできません。
メーカーや小売、外食産業などは業績を上げるためにもどんどん競争していってほしいと思っています。ただ、物流機能をサービスしてこれらの企業をつなぐ当社は、生産性を上げて事業を継続するためにも、他社と協業していく必要があります。メーカーの拠点再配置により、当社の幹線輸送のバランスが崩れてしまったときでも、同様に困っている物流事業者と補完しあえば、互いにとってのプラスにつなげることができます。今後、そうした協業を積極的に進めていくことが当社が目指すべきビジョンとなります。
一方、私自身のミッションは20~30年後も当社が隆々とした企業でいるための種まきをすることです。国内の人口が減少していくなかで、食品だけを扱っていくのでは、今後事業が厳しくなります。そのため、海外事業の伸長に加え、国内では当社のノウハウを活かし、医薬品といった新規事業にも進出していくことが重要です。
また、従業員の給料を上げることも私の使命です。昨今の物価高においても、買い物をしても生活が苦しくないと従業員に思ってもらうためにも、しっかりと賃上げができるような経営に努めていきたいと思います。
富田 仁一(とみた・じんいち)
1964年生まれ。86年4月三英食品販売入社、90年12月キユーピー入社、2017年2月コープ食品代表取締役社長、20年1月キユーソーエルプラン代表取締役社長、同年2月キユーソー流通システム取締役執行役員を経て24年2月現職。25年1月からキユーソーサービス代表取締役社長を兼務
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