カーゴニュース 2026年9月3日 第5464号
CLOにとって価値のある展示会に
――改正物流効率化法の全面施行により、一定規模以上の荷主には物流統括管理者(CLO)の選任が義務付けられました。CLOの業務を支援するような展示は増えているのでしょうか。
北條 荷役時間の把握や、積載効率の向上など荷主企業が取り組むべき課題を切り口としたソリューションは増加するはずです。とくにCLOの方々が苦労するのは、改正物流効率化法に定められている「荷主の努力義務」における積載効率、荷待ち時間、荷役等時間のKPI(重要業績評価指標)測定だと思われます。本来なら日常業務のなかで自動的にそれらの数値を計測できることが望ましいのですが、現行のソリューションではまだ難しい領域であると認識しています。
そのため、完成車メーカーなどがそうしたソリューションを提供する動きが出てくるのではないかと考えています。自社の車両を導入してくれている顧客に対して、積載効率や荷待ち時間、あるいはドライバーが車から離れている時間などを日常業務のなかで自動的に測定し、分析するといったようなサービスが提供できれば、本来の意味でのDX化が実現するはずです。
――改正法への対応はもとより、物流分野でもデータドリブン経営が重要となりつつある中で、正確なデータの取得は重要な課題となっています。
北條 荷待ち・荷役等時間や積載効率の定義が厳密に決まっていない場合は、データの取得自体が難しくなります。荷待ち時間をどこからどこまでとするのか、積載効率を重量と体積どちらで取るのかなどは、国によって定められた定義があるものもありますが、それらが集計や可視化がしやすい形式とは限りません。データの取得においては、これらの定義を明確にするところから始める必要があると思います。
加えて、2028年度に施行が予定されている適正原価制度についても、事業者は自社の経費を詳細に把握する必要がありますから、関連するソリューションの需要があるはずです。燃料費や人件費などは把握が容易ですが、間接コストを含めると非常に複雑になります。これらのデータを上手く統合して可視化するようなソリューションが求められるのではないでしょうか。
「J―CLOP」第1回会合なども併せて開催
――最後に来場者の方々へメッセージをお願いします。
北條 まずは多くの方にご来場いただければと思います。今回は会場が東西に分かれていることもあり、少し来場者の方に負担をおかけする形になりますが、東西会場あわせてご覧いただく価値のある展示となっています。ぜひ両会場を回っていただき、物流課題解決のヒントを持ち帰っていただければと願っています。
とくにCLOの方々にはできるだけ多く来場していただければと考えています。物流展は物流分野の最新動向をつかむのには必要不可欠な場であり、CLOを含めた経営に近い方々にとっては来場していただく価値の高いものになっています。実際に現場ではどのようなシステム・マテハンが稼働し、どのような物流課題が生まれているのかという部分を吸い上げていただく機会にもなるはずです。出展者からも社内での決定権があるCLOと話したいという要望は多く、レポートラインにあたる方が感じている物流課題に直接触れるための重要な機会になっています。
また、直接展示会と関係があるものではありませんが、会期中の9月10日には、JILSがCLOを対象に立ち上げた物流統括管理者連絡推進会議(J―CLOP)の第1回会合も行われます。こちらも同じく東京ビッグサイトでの開催となりますので、CLOの方にはこちらもぜひご参加いただければと思います。
加えて、これまでの展示会では「国際物流」にフォーカスしたイベントはあまり行っていませんでしたが、今回からは「Global Logistics Conference」と題した国際物流をテーマとする講演会も開始します。国内の先進企業や有識者に限らず、海外の物流団体による講演なども予定しているため、国際物流に携わる企業や海外からの来場者の参加に期待しています。
北絛 英(ほうじょう・まさる)
東京都立大学理学部物理学科卒。日本能率協会総合研究所社会環境研究所を経て2002年日本ロジスティクスシステム協会JILS総合研究所に入所。物流・ロジスティクスに係る調査研究に従事。政府の有識者会議委員のほか、物流統括管理者連携推進会議(J-CLOP)CJOも務める
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