カーゴニュース 2026年9月15日 第5467号
国土交通省で国会対応と物流行政を管掌する大臣官房総括審議官兼物流統括調整官に8月7日付で就任した原田修吾氏(写真)は10日、就任後初となる専門紙記者会見を開催した。原田氏は「2030年度に向けて懸念される輸送力不足に対応し、安定的なトラック輸送を確保することが最重要課題だ」と強調。「1990年施行の物流二法でトラックの運賃水準が低下したことがドライバー不足の要因のひとつ。規制緩和によりある意味で〝ひずんだ形〟となった物流の現状を正す政策を加速していく」と表明した。
「物流二法」のデメリット解消を目指す
現在の国交省は、貨物分野を除いた自動車関係行政の全般を物流・自動車局長が管掌し、物流行政については局長級の役職である大臣総括審議官(総括審議官)が主に所管する体制となっている。1994年に当時の運輸省に入省した原田氏は、これまで自動車局総務課長、鉄道局総務課長、九州運輸局長、大臣官房審議官(公共交通政策、物流・自動車局担当)を歴任し、物流政策でも豊富な経験と知見を備えている。
原田氏は総括審議官就任の抱負として「物流の『2024年問題』対策として国を挙げて物流施策を推進するよい流れができている。この流れを加速し、当面の物流課題の解消を図っていく」と表明。とくにトラック物流について「2030年度に向けて2割の輸送力不足が懸念されている。この輸送力不足に対応し、安定的で持続可能なトラック輸送を確保することが当面の最重要課題だと認識している」と話す。規制緩和政策の一環として、1990年に物流二法(貨物自動車運送事業法、貨物運送取扱事業法)が施行され、業界への参入が容易になったことで「事業者数が急増し、事業者間での過当競争が生じて運賃水準の低下につながった。その結果、ドライバーの賃金が低い水準にとどまってしまい、現状のドライバー不足をもたらす要因のひとつとなった」と分析する。
「規制緩和を行った結果、荷主から見れば運賃高騰を抑え、サービスメニューが豊富になるなどのメリットがあった。一方でトラック側は、荷主との力関係が弱いということもあり、低い運賃水準にとどまるデメリットが生じた。このように、ある意味で〝ひずんだ形〟となった物流の現状を正すため、先般策定された『総合物流施策大綱』が提示した政策を加速していくことが必要だ」と述べ、物流を持続可能なものとするには「トラックの運賃・料金の適正化が不可欠。そのうえで、運賃引き上げを賃金上昇につなげることだ。トラック事業者ひいてはトラックドライバーが、しっかりと誇りを持ち、安心して働ける環境を整備することが政策課題の一番のベースだ」と訴える。
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