カーゴニュース 2026年10月1日 第5471号
日本通関業連合会(岡藤正策会長)が全国の通関業会の会員事業者を対象に行ったアンケート調査で、通関業務料金の見直しを行ったとの回答が約4割に上ることが分かった。関税等の立替払いを行っている事業者は86%で、荷主からの立替払いの要請があったとの回答が複数回答で8割弱。立替払いの総額は月間5000万円超が4割を占め、8割が立替払いを負担と感じていた。なお、通関連が通関業務料金見直しや立替払いについて全国規模でアンケートを行い、結果を公表するのは初めて。
料金見直し「顧客から理解」は数パーセント
通関連では、通関業務料金の見直し、関税等の立替払いについて現状を把握するため「通関業の経営環境に関するアンケート調査結果」を全国の通関業会会員1389者に対し実施。8月17~31日にかけてWebによるアンケートを行い、回答者は379者で回答率は27・3%だった。
通関業務料金の見直しについて、「実施した」は44%、「実施していない」は56%で約4割が実施していた。見直しを決定した時期は2026年1月以降がほとんどで、昨年12月に大手物流会社が26年1月から通関業務料金を見直すと発表したことが、ひとつのきっかけとなった可能性がある。なお、改定率は20%未満と、20%以上がほぼ半々だった。
通関業務料金の見直しを決めた理由(複数回答)は、「人件費の高騰」が87・6%と最多だった。次いで「業務内容の複雑化に対し料金が旧態依然」が64・1%、「システム投資等経費の高騰(人件費除く)」が48・8%、「働き方改革に伴うコスト増」が38・8%だった。「通関業の収支が赤字」との回答も22・4%あった。
通関業務料金の見直しと交渉について、「今回初めて交渉に臨んだ」が57%。「同業他社との受注競争で単独での値上げが困難」「既存の顧客荷主や取扱量の多い荷主には交渉の申し出が難しい」「荷主との力関係上交渉の申し出が難しい」「見直しに関する社内調整が難しい」「交渉のテーブルについてもらえない」との声もあった。
交渉の進捗状況では、値上げの決定が今年1月以降のところが多いこともあり、顧客から理解を得たという回答は数パーセントにとどまっている。また、通関業務料金の値上げによる収益への影響については、現時点で判断できないとの回答が最多だった。
通関業務料金の見直しを行っていない会員の認識も聞いた。「見直しの必要はない」との回答は少数で、その他の会員においても「人件費等諸経費が高騰」「通関業務の収支を改善する必要」「システム等への投資が増大」という回答が多い。
立替払い「負担」「止めたい」がいずれも8割超
関税等の立替払いの実施状況は、「行っている」が86%だった。「行っていない」との回答は14%で、その理由(複数回答)では、「立替払いを断っている」が48・3%と最多。以下、「荷主から要請を受けたことがない」が32・8%。「輸入貨物を扱っていない」も8・6%あった。
立替払いを行っている理由(複数回答)は、「荷主からの立替払い要請あり」が78・4%と最多。「昔から慣習的に取引の条件」(60・1%)、「荷主がリアルタイム口座を持っていない」(59・5%)との回答も多かった。一方、「他社との受注競争に勝つための条件」(17・6%)との回答もみられた。
関税等の立替払いに対する意識について聞いたところ、「できれば止めたい」が74%と最多。「止めたいが力関係でやめられない」(12%)との回答も1割あった。立替払いの解消に向けた荷主への申入れを「行った」のは68%と7割弱にのぼる。立替払いに関する最近の荷主側の「変化があった」との回答は29・2%と約3割だった。
関税等の立替払いに係る輸入申告件数は、「10件~50件未満」(32・8%)、「100件~1000件未満」(31・1%)が多い回答だった。月間の総額は「1000万円~5000万円未満」が31・4%。月間5000万円超が4割を占め、「5億円~10億円未満」は5・0%、「10億円以上」との回答も2・1%あった。
立替払いに伴う資金管理などについて、「大きな負担」(30%)、「負担」(51%)を合わせて8割に達した。自由意見としては、「制度的な解消・禁止を求める」「業界の機運の高まりを実感」「輸入者による直接納税を求める」「中小・地方業者の交渉力格差への懸念」といった意見が寄せられた。
なお、今回のアンケートの実施と公表について、業界関係者からは、こうした結果をもとに、財務省関税局等に対し要望活動につなげることを期待する声も寄せられている。
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