カーゴニュース 2024年7月18日 第5260号
国土交通省は来春、軽貨物運送事業の「安全管理者」制度を創設する。4月26日に成立した「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律(改正物流法)」に基づく措置の一環で、増加傾向にある軽貨物運送事業者による事故防止対策として実施するもの。新制度開始後は、新規に軽貨物運送事業を開業する際は安全管理者の選任が必須事項となる。制度開始時に既に事業を営んでいる事業者には安全管理者選任を2年間猶予する。
「安全管理者」選任がなければ事業継続は不可
改正物流法は軽貨物運送業に対する規制的措置を実施することを定め、来年4月までに新制度を創設するとした。具体的には、安全運行に必要な法令などの知識を担保するため、安全管理者の選任と講習受講を義務化したほか、一定規模以上の事故について国への報告を必須とした。併せて一般トラック事業者並みに、国交省が事業者に対して発出した輸送の確保命令や行政処分情報を国交省HPで公開する。併せて輸送安全規則などを改正し、ドライバーの適性診断の受診や、業務記録・自己記録の保存の義務化など、一般トラック並みの規制を実施する。
新制度の目玉となるのは「軽貨物自動車安全管理者」の選任と、講習受講の義務化だ。事業者は講習実施機関で講習を受講した安全管理者を選任し、運輸支局に届出る。安全管理者講習は、ドライバー適性診断の実施機関に類する機関が行う見込みで、今秋にも決定する。
新規で軽貨物運送事業の開業を届け出る場合、安全管理者の選任が要件となる。一方、既に軽貨物運送を行っている事業者には、制度開始から2年間の猶予が与えられる。25年4月に新制度がスタートすれば、27年3月までに安全管理者を選任しなければならない。法令に基づき、安全管理者を選任していない事業者は、事業継続ができなくなる。また、安全管理者は更新制で、2年ごとの講習受講が必要となる。
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