カーゴニュース 2024年12月26日 第5304号
三井化学(本社・東京都中央区、橋本修社長)は、製品の安全輸送において車両の動態監視による重大事故の未然防止および事故発生後の2次災害防止として、QRコード化した「イエローカード(緊急連絡カード)」の本格運用を開始する。2024年1月から車両の動態監視、イエローカードのQRコード化の実証実験を進めており、有用性が確認されたため、本格運用を決定したもの。
三井化学グループの製品には、国連の「危険物輸送に関する勧告」や高圧ガス保安法、消防法、毒劇物取締法などの国内法に規定される危険物が含まれる。これらの製品は、物流会社の協力を得て安全な取り扱いおよび輸送の確保を図っているが、車両の事故・火災情報のうち、大型貨物車両の火災の事例も多数あることから、車両の動態監視をシステム化した。
危険品輸送時の車両のタイヤには、TPMS(タイヤ空気圧監視システム)を導入した。また、高圧ガス保安法により、液化ガスを輸送する際には移動開始/終了時の圧力と漏れ等の異常確認が義務付けられており、従来は乗務員によるアナログ計器を目視確認していた。これに対して、三井化学のプラント監視システムを応用したローリー車のタンク内の温度、圧力を監視するシステムを導入することで、数値をデジタル変換し、乗務員/運行管理者が遠隔で異常の予兆検知と予防措置が可能となった。
危険品輸送時には、緊急連絡カード(イエローカード)の紙面による携行が義務付けられているが、三井化学では、このイエローカード情報をQRコード化し、輸送車両に貼付しての運行を開始。この取り組みにより、事故などの迅速な処置による減災が期待できる。今後も危険品輸送時のDX技術を導入した高度な安全監視システムを積極的に導入し、安全・安定輸送の向上を図っていく。
同社物流部は、物流RC(レスポンシブルケア)のDX化、共同物流DX、物流BIによる可視化を3本柱として、今後もデジタルを活用した物流DXを推進し、物流環境変化に柔軟に対応できる強靭なサプライチェーンを追求していく。
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