日本郵便(本社・東京都千代田区、千田哲也社長)は23日、協業の一環として予定していた小型薄物荷物の運送委託が予定通り進んでいないとして、ヤマト運輸に対し総額120億円の損害賠償を求める訴訟を東京地方裁判所に提起した。日本郵便が事業計画に織り込んでいた営業利益70億円と、協業準備のために支出した費用50億円を合算したもの。
両社は2023年6月に、ヤマト運輸のメール便と小型薄物荷物の配送を日本郵便に委託する協業に基本合意。メール便については、24年1月末に完全移管が完了したが、小型薄物荷物については25年2月予定の完全移管に向けスケジュールが大幅に遅れる状況が続いていた。また、日本郵便の説明によると、ヤマト運輸は10月に小型薄物荷物の委託を25年1月から当面の間停止する計画変更を申し入れ、すでに外部へのアナウンスや準備を進めているとしている。
こうした状況から、日本郵便はヤマト運輸が合意内容の履行義務を負うことの確認に加えて、履行されない場合の同社の損害賠償を請求すべく東京地裁に提訴したもの。
同日オンラインで会見した五味儀裕執行役員は「ヤマト運輸が合意内容の履行義務自体を否定しているため、非常に残念だが、司法の判断を仰ぐしかなかった」と提訴に至った理由を述べた。
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