五霞事業所

カーゴニュース 2025年5月29日 第5342号


丸善
関東内陸部に危険物倉庫を拡充

2025/05/29 07:00
全文公開記事 危険物・化学品

 丸善(本社・東京都江東区、藤井宏幸社長)は、関東一円に危険物倉庫を拡充している。タンクターミナルの事業拠点である「京葉油槽所」(千葉県市川市)にタンクの増設の余地がないことから、タンク以外の領域で拡大を図るため、2016年以降、関東内陸部に危険物倉庫の拠点を増やしており、好調な稼働を続けている。

 

 「京葉油槽所」は危険品有機ヤード(45基/2万3200㎘)、普通品無機ヤード(17基/1万720㎘)と2つのタンク群で構成。「オールステンレスタンク&ワンタンク・ワンライン」で、シビアな管理が求められるファインケミカルの取り扱いを強みとする。

 

 タンクは恒常的にフル稼働しており、敷地内にはタンクを増設するスペースがない。このためタンクターミナル構外での危険物倉庫事業を拡充することとし、輸入品の取り扱いを念頭に、圏央道内側での拠点整備を進めた。

 

 第1弾として16年に千葉県白井市で「柏事業所」(18年に増築)、22年には隣地で「柏第二事業所」を開設。2事業所で危険物倉庫は8棟、普通品倉庫4棟で、定温倉庫も設置し、危険物第3類(禁水性)、毒物・劇物にも対応できるマルチ機能の拠点となっている。

 

 昨年6月には、埼玉県と茨城県の県境のエリアに「五霞事業所」(茨城県五霞町)を開設した。常温の危険物倉庫4棟(930㎡1棟/740㎡3棟)と普通品倉庫(2000㎡)から成り、柏の2事業所と同様、危険物と普通品を1ヵ所で管理できる。

 

 五霞事業所の危険物倉庫の収容能力はドラム換算で約1万9000本。消防法危険物第2類(可燃性固体)と第4類(1~4石)に対応。普通品倉庫の収容能力は約1万3000本で、雨天荷役にも対応できる大型庇を設けている。

 

 輸入品の取り扱いをターゲットに、コンテナ作業をスムーズに行えるよう移動式のスロープ2台を導入。危険物倉庫、普通品倉庫とも保税蔵置場とした。いずれも毒劇物の保管が可能で、普通品倉庫では指定可燃物にも対応する。

 

 茨城県つくばみらい市でも同業他社が建設した危険物倉庫を3棟(約計2500㎡)賃借。このほか全国約40ヵ所の危険物倉庫ネットワークを構築し、自社の拠点にこだわらない広域営業の体制を整えている。

 

 今後、危険物倉庫からエンドユーザーへの運送機能の維持・確保が課題になると予測し、既存の協力会社とのパートナーシップを強化するとともに、丸善の拠点とシナジーが見込まれる運送会社のM&Aの可能性なども検討する。

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