カーゴニュース 2025年7月29日 第5359号
リンコーコーポレーション(本社・新潟市中央区、本間常悌社長)は、鈴与海運と提携し、本州日本海側最大の国際貿易港である新潟港と九州の主要港である門司港・博多港を結ぶ、内航コンテナサービスの提案を強化している。これにより、国内トラック輸送の代替手段として、海上コンテナによる国内輸送が可能となり、「2024年問題」やBCP対応での輸送ルートの複線化が求められる中、新潟~九州間の国内輸送での内航コンテナの活用をアピールしていく考えだ。また、新潟港から門司港や博多港を経由して外航コンテナ船に貨物を積み替えることができ、海外との輸送ルートの選択肢も広がることも期待している。
モーダルシフトの選択肢にCO2削減も
新潟港と博多港・門司港を結ぶ鈴与海運の内航コンテナ航路が2023年12月に開設されたことを受け、リンコーコーポレーションでは同航路の集荷代理店業務を開始。各港への寄港は週1便で、国際貨物の内航フィーダー輸送の機能に加え、免税コンテナの国内使用に係る手続きにより国内貨物の輸送に対応する。
24年4月から、トラックドライバーの労働時間規制が強化された「2024年問題」を受け、国内貨物の取り込みも狙う。内航コンテナ船を活用した国内輸送サービスは、フェリー、RORO船による海上輸送、鉄道コンテナ輸送と並ぶモーダルシフトの新たな選択肢となり、CO2削減にもつながる。
新潟~九州の国内貨物をISO規格の国際海上コンテナ(20ft/40ft)に積載して輸送することで、一度により多くの貨物を運べるメリットがある。免税コンテナの国内運送に係る手続きや、新潟、九州でのコンテナの集配についてもリンコーコーポレーションおよび九州地区の代理店が行い、リーファー貨物や危険物(IMCO1除く)にも対応できる。
なお、新潟県では県内の港の利用拡大を図るとともに、BCP目的での利用を支援するため、新たな物流ルートの構築やモーダルシフトにより県内港定期コンテナ航路を利用して輸出入・移出入を行う荷主等に対し、トライアル費用の半額を支援する補助制度(上限は通常100万円、最大200万円)を設けており、コンテナ1本から活用できる。
海上輸送により物流ネットワークを強靭に
新潟~九州間の内航コンテナ輸送サービスを利用することで、従来の輸送ルートに加えて、台湾・華南・東南アジアが充実している博多港、門司港で外航サービスに接続できるため、海外との輸送ルートの選択肢が拡大する。
新潟内陸部の荷主が北米向けの輸出で「横浜港」(太平洋側)と「新潟港~博多港経由」(日本海側)の2つルートを使い分けているケースもあるという。BCP対策のほか、リードタイムの長さを活かして、輸送中の時間を在庫保有期間としてとらえる「洋上在庫」の活用も可能で、新潟県のみならず北関東、東北南部の荷主のニーズも掘り起こしたい考えだ。
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