商品サイズ変更などでパレット化を推進

カーゴニュース 2025年8月5日 第5361号

栗山米菓
物流改革の成果発表、パレ化率6割達成

荷待ち・荷役時間は3分の1に短縮

2025/08/04 17:00
全文公開記事 荷主・物流子会社 経営計画・戦略 2024年問題

 栗山米菓(本社・新潟市北区、栗山大河社長)は7月28日、同社が進めてきた物流改革の取り組みに関する成果発表会を、対面・オンラインのハイブリッド方式で開催した。当日は、バース予約システム導入やパレット化率の向上による荷待ち・荷役時間の大幅短縮といった具体的な成果に加え、賞味期限表示の見直し、地域共同配送モデルの構築といった取り組みを紹介。今後はパレット化率8割達成などを目標に掲げる。

 

委託先の丸紅ロジと連携 賞味期限は「年月」表示に

 

 同社では、物流の「2024年問題」への対応として、2023年11月から現場主導での物流改革を推進。具体的な取り組みとして、製品出荷の効率化に向け、従来の「バラ積み」から「パレット積み」への切り替えを段階的に推進。商品サイズのガイドラインを策定し、パレット積みに適したサイズへの変更を順次行ってきた。さらに、自社パレットからレンタルパレットの利用に切り替えることで、空パレットの回収にかかる輸送を回避。これらの取り組みにより、幹線便におけるパレット化率を60%まで拡大した。商品サイズの最適化にあたり、生産ラインや設備の変更が必要な一部商品についても対応を進めている。

 

 また、従来は賞味期限を「年月日」で表示していたが、対応可能な商品から「年月」表示へ移行。表示の変更は不良品が発生した場合、メーカーの回収範囲が大きくなるリスクや実質的な賞味期間が減少するリスクがあることから、品質保証体制の変更や賞味期間を維持するための改善を行ったうえで変更を実施した。これにより、在庫のロット管理が容易となり、日付単位のピッキング作業を不要としたことで、現場の負担軽減につなげた。今年6月時点で、総出荷量の51%が年月表示に切り替わっている。

 

 荷待ち・荷役時間の削減に向けては、出荷元となる「新潟倉庫」での荷待ち時間を1時間以内にすることを目標に、物流業務を委託している丸紅ロジスティクス(本社・東京都千代田区、栗原剛社長)と連携。バース予約システムの導入に加え、パレット化による積載効率の向上、賞味期限の年月表示化によるピッキング作業の軽減、積み込みの補助員の配置などの取り組みを重ねたことから、平均荷待ち時間を従来の3時間から平均1時間へと短縮した。

 

 

 

賞味期限の表示を「年月」に変更

同業他社との連携を推進、パレット化率8割を目標に

 

 このほか、新潟県内の菓子メーカー6社が共同で物流の効率化を目指す「新潟菓子メーカー物流研究会」に参画。研究会を通じて物流改善の具体的な対策を検討するほか、共同で配送を行うプロジェクトに参加している。

 

 栗山米菓では、物流改善における今後の目標として、パレット化率を80%まで拡大することを掲げる。加えて、賞味期限を年月表示している製品を、現在の34品目に加え、新たに10品目追加する計画。さらに、地域メーカーとの連携強化によるパレット単位の共同配送推進にも取り組んでいく。

 

  発表会に参加した栗山社長は「日本各地に美味しいご飯や名産物があり、日本の食文化の豊かさとなっている。それを守るためにも地方のメーカーが物流効率化に主体的に取り組んでいかなければならない」と強調。また、阿部真也物流管理部部長は「ドライバー不足や少子高齢化への対応は、1社だけでは解決できない。競合他社とは市場でこそ戦っているものの、物流面では協力していく必要がある。メーカーとしてできる努力を続けていく」と述べた。        

栗山社長(左)と阿部部長
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