カーゴニュース 2025年9月2日 第5367号
CBRE(本社・東京都千代田区、辻貴史社長)はこのほど、首都圏物流施設市場は2027年に需要超過になるとの見通しを発表した。建設工事費の上昇や賃料の下落傾向を背景に、27年の首都圏大型マルチテナント型物流施設(LMT)の新規供給は大きく減少する見通し(グラフ)。一方で、新規需要は底堅く、首都圏LMT市場は、27年に6年ぶりに需要超過に転じると分析している。
CBREのレポートによると、建設工事費の上昇は特に賃料の伸びが期待できない物流施設について、新規開発の制約になっている。首都圏のLMTの賃料は11年から22年までの間に約12%上昇したが、以降は緩やかに低下。今後のついては東京ベイエリアや外環道エリアでは賃料上昇を見込むものの、圏央道エリアを中心に回復に時間がかかり、首都圏全体では下落基調が続く見通し。デベロッパーとしては賃料上昇が期待できる立地や物件を見定めて開発を選別していくと見られる。
新規供給については25年に約46・5万坪、26年に約52・5万坪の新規供給を見込むが、27年は約15・2万坪と予想。過去最大の供給があった23年比では83%減となり、約15年ぶりの水準。一方で新規需要は24年に50・9万坪と引き続き先進的施設に対する需要は強く、25年に36・3万坪、26年に50・7万坪を見込む。27年は新規供給が15・2万坪に縮小するのに対し、新規需要は27・9万坪を予測し、12・7万坪の超過需要となる見込み。CBREでは、「大量供給が続いた首都圏LMT市場は27年に転機を迎える」としている。
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