カーゴニュース 2025年10月16日 第5379号
山九(本社・東京都中央区、中村公大社長)は7日、山口県山陽小野田市で「山九山陽小野田ロジスティクスセンター」を開設した。延床面積は8163㎡で平屋建て。機械部品などを製造するTHK(本社・東京都港区、寺町崇史社長)の専用倉庫となり、同社が国内出荷と海外輸出業務を一元化した戦略拠点「山口商品センター」として利用する。
同倉庫は、THK山口工場から10㎞圏内に位置し、門前倉庫として機能する。サプライヤーの工場と隣接するほか、輸出港となる門司港まで約50㎞と内陸地ながらアクセスに優れる。
THKは、これまで同県と福岡県に分散していた倉庫機能を同センターに集約し、倉庫間の横待ちを削減。加えて、来年2月をメドに現在北九州で行っている製品の梱包作業を移管し、西日本地区での物流機能を最適化することで、THKの成長戦略を物流面から支える。倉庫管理や搬入出作業、梱包作業などはすべて山九が請け負う。
倉庫内は、北側に低床バースを設け、南側はドックレベラーを8基整備した高床バースを採用。拡張性のある設計とすることで、将来的にはAGV(無人搬送車)やAGF(無人搬送フォークリフト)などを導入したモデルセンターとしての活用を見据える。屋上には太陽光発電設備を整え、ZEB認証の取得も予定している。
7日に行われた竣工式では、山九の中村社長が「山口県は当社が107年前に創業した地であり、社名の由来の一部ともなったゆかりの地でもあるため、今回の拠点開設は非常に感慨深い。施工を手がけていただいた大和ハウス工業にも深く御礼申し上げる。今後、山陽小野田市で事業を進めていくにあたり、新センターで働く方々はもちろん、地元の皆様との信頼関係を築くことで、地域から必要とされる事業を目指していく」と挨拶。そのうえで「同県内にあるTHKの山口工場は西日本における重要な生産拠点であると伺っている。新センターの開設を通じて、同社の製品開発能力と当社の物流サービスを組み合わせることで、THKのさらなる事業拡大の一助となれるよう尽力していく」と語った。
THKの寺町社長は同センターの運用について「日本国内だけでなく輸出も含めた戦略物流拠点として運用していく」と説明。山九との連携については「同社とはもともと中国で取引があり、今回国内でも取引するにあたり、モーダルシフトなど環境面の配慮を含めた業務改善の提案をしていただいた。新センターについては今後、自動化設備などのテクノロジーの導入を検討されているとのことなので、今後の物流最適化の進展に期待している。まずは安全第一を念頭に、品質管理と出荷納期の厳守についても、引き続きご尽力いただきたい」と語った。
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