カーゴニュース 2025年9月16日 第5371号
日本通運(本社・東京都千代田区、竹添進二郎社長)は10日、本田技研工業(Honda、本社・東京都港区、三部敏宏社長)、JR貨物(本社・東京都港区、犬飼新社長)とともに、Honda製EV「N―VAN e:」に搭載されるバッテリーパックの長距離鉄道輸送を開始したと発表した。Hondaが推進する環境配慮型物流の強化施策として、茨城県のバッテリー出荷拠点から三重県のHonda鈴鹿製作所までの約500㎞におよぶ区間で、鉄道を主な輸送手段とする新たな輸送モデルを構築したもの。
EVバッテリーパックは大型かつ高精度な部品であり、安全かつ確実な輸送には専用インフラと高度な技術が求められる。今回のモーダルシフトの取り組みでは、Hondaが積載治具の設計・製作を主導し、日通が輸送計画の策定と現場運用、JR貨物が鉄道輸送を担う。
鉄道による輸送区間は宇都宮貨物ターミナル駅から四日市駅までの約500㎞で、茨城県内のバッテリー工場から宇都宮タ駅までの約66㎞、四日市駅から鈴鹿製作所までの約10・9㎞は日通がコンテナ専用車(緊締車)による集配を行う。
従来の全区間をトラック輸送した場合と比較して、年間約74・5%(約698・5t)のCO2排出量削減を見込む。また、トラックドライバーの拘束時間も約78・8%(年間約2542時間)削減でき、ドライバーの負担軽減に寄与する。
なお、Hondaでは、バッテリーパックの積載治具の積み降ろしを円滑に行うため、特別仕様の12ftコンテナ「Hondaラッピングコンテナ」を新たに導入し、安全性と作業効率の向上を図っている。
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