カーゴニュース 2025年11月13日 第5387号

通関業務料金の値上げに苦戦

関税等の立替払いは「負担」

2025/11/11 16:00
全文公開記事 行政 グローバル物流 団体

 通関業者の業務運営において課題となっているのが、適正料金の収受だ。名古屋通関業会が昨年実施したアンケートでは、「通関業務料金の値上げが必要である」と感じている事業者は96%にのぼった。人件費の上昇やEPA(経済連携協定)等新たな制度への対応により申告1件あたりのコストが上昇しているにもかかわらず、通関業務料金が据え置かれているため、通関業としての利益が減少しているという。


 東京通関業会が今年実施したアンケートによると、荷主に対して通関業務料金の値上げを求めた店社の割合は28・2%と3割以下にとどまっていた。価格転嫁を求めなかった理由で最も多く挙げられた回答は「値上げを求めると契約を切られるおそれがあるため」(63・3%)。また、大阪通関業会のアンケートでは、87%が関税・消費税の立替払いを行っており、約9割がそれを負担に感じていた。

 

 こうした状況を踏まえ、日本通関業連合会の岡藤正策会長は、9月19日に国土交通省、経済産業省、農林水産省が開催した「2030年度に向けた総合物流施策大綱に関する検討会」の第6回会合に出席し、「今後とも適正な業務運営を確保するには、通関業務にかかるコストを料金に適切に転嫁することが不可欠であり、業務に見合った料金の収受が必要」と提言。関税・消費税の立替払いについても「解消が必要だ」と訴えた。

 

 なお、財務省関税局では昨年12月、藤中康生業務課長名で荷主団体に対し文書を発出し、通関業者による関税・消費税の立替払いが負担になっていることや、通関業者の労務費の転嫁が進んでいないことを挙げ、通関業者との取引に対する一層の配慮を要請した。また、今年9月の第2回急増する少額輸入貨物への対応に関するワーキンググループでは、労務費の転嫁の遅れや通関業者を取り巻く状況について説明した。

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