カーゴニュース 2025年12月23日 第5398号
長瀬産業(本社・東京都千代田区、上島宏之社長)とNIPPON EXPRESSホールディングス(本社・東京都千代田区、堀切智社長)のグループ会社である日本通運(本社・東京都千代田区、竹添進二郎社長)は8日、インド西部グジャラート州ドレラ地区での半導体前工程向け半導体材料の供給に関する覚書を締結した。今後、長瀬産業と日本通運をはじめとするNXグループは覚書に基づいて連携し、半導体工場への投資が急速に進むドレラ地区での半導体サプライチェーンの構築と現地顧客の関係強化を図り、インド国内の半導体産業の発展に貢献していく。
グジャラート州ドレラ地区は特別投資地域に指定された工業団地。同国の企業集団タタ・グループの半導体工場が稼働するなど、次世代半導体産業の有力拠点として近年は日系やグローバル企業の進出が進んでいる。
長瀬産業を中心としたNAGASEグループは、1964年にインド現地法人を開設以来、化学品、ライフサイエンス、樹脂、自動車、エレクトロニクスなどを中心に、商社機能を軸に幅広く事業展開を図ってきた。今月もインド国内で5つ目となるプネ支店を開設するなど拠点拡大や人員増強を図っている。長瀬産業は「中期経営計画ACE2.0」でグローバルサウスでの半導体分野の事業拡大に注力しており、インドでの事業展開を推進するため、インドの物流市場で強みを持つNXグループとタッグを組んだ格好だ。
一方、NXグループは「NXグループ経営計画2028」に基づき、半導体関連物流の取り組みを加速しており、インド市場は最重要拠点のひとつに位置付けている。現在、インド国内39都市に103の営業所と60の倉庫を構え、在庫管理、検品、組み立て、輸出梱包、通関代理など一貫した物流サービスを提供している。グジャラート州やアッサム州などでは、工場建設から装置搬入、量産開始後の製品物流までの領域に関わるとともに、インド政府と連携したインフラ整備も推進。加えて、専用物流センターや半導体物流を担う高機能車両への投資、人材育成にも注力することで、関連企業のインド進出を支援している。今回締結した覚書により、関連する多様な取り組みを加速させることで、半導体物流での主要企業として存在感を強化していく。
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