カーゴニュース 2026年4月9日 第5426号
ミスミグループ本社(本社・東京都千代田区、大野龍隆社長)とパンチ工業(本社・東京都品川区、森久保哲司社長)は2日、物流統合の取り組みに関する会見をミスミの「東日本流通センター」(川崎市川崎区)で開催した。当日はミスミが同センターでパンチ工業に対して開始した3PL事業のオペレーションや新たに導入した自動化機器などをメディアに公開した。
ミスミは金型部品事業などの製造事業に加え、他社製品を扱う商社としても事業を展開。他方、パンチ工業も金型部品の製造を手がけており、両社は事業の親和性が高いことから、2024年10月に双方の強みを活かした事業の相互補完・強化に向けて資本業務提携を締結した。25年10月には物流協業の一環として、パンチ工業の物流機能をミスミの「東日本流通センター」へ統合。同センターは「ロジポートベイ川崎」の4、5階に設けたもので、ミスミグループ最大の出荷拠点であり、延床面積は10万1146㎡、在庫能力は40万点となっている。
両社の物量を集約することでスケールメリットを創出し、物流効率化の最大化とコスト削減の両立を実現。併せて、同センターにおいてパンチ工業の物流業務をミスミが受託することで、同社として初となる3PL業務を開始した。
2種類のDPCとピッキング支援機器が稼働
当日は3PL作業とともに同センターで導入している複数の自動化設備を公開。2種類のDPC(デジタル・ピッキング・カート)では、「画像DPC」は照明の上に載せたトレーに商品を並べると、カメラが商品を撮像し、画像認識システムが影の数を自動解析して商品の個数をカウントする。「計量DPC」はトレーに商品を載せると、あらかじめ登録している商品の単体重量をもとに検数し、必要数と突合する。
また、商品の入出荷では、作業者のもとに自動的に商品が運ばれてくる「Goods to Parson」の取り組みとして、ギークプラスのピッキング支援機器「PopPick」を導入。8基のピッキングステーションとAGV(無人搬送車)76台、保管棚490台を一体的に運用することでピッキング作業の歩行負担を解消した。さらに、ピッキングした商品の仕分けにはプラスオートメーション製のソートシステムも活用し、一連の作業の自動化を実現。今後の計画として、ピッキングステーションは11台、AGVは114台、保管棚は600台まで増強する計画としている。
物流統合による具体的な実証効果として、トラックの荷待ち・荷役時間を月間110時間短縮し、10tトラックでは月216台分を削減。また、在庫商品ピッキングオペレーションの効率化により、総労働時間を月274時間削減している。
「思いに共感したメーカーと積極的に協業したい」
ミスミの宮本雄介本社執行役員金型ビジネス・ハブ社長は協業相手にパンチ工業を選んだ理由について「かねてから当社では物流をどのように変えていくのか、という議論があった。扱っているモノが極めて近しいことに加え、物流を当社の新たな〝事業〟に加えていくタイミングが重なった。我々のうちどちらかが倒れてしまうと金型部品の業界の安定性が崩れてしまうという危機感から、持続性を担保するためにも協業を進めることになった」と説明。そのうえで、今後の取り組みの拡大について「我々の思いに共感していただけるメーカーがいれば、積極的に協業したい」と述べた。
また、物流統合の最も大きな効果として、パンチ工業の鶴間文雄執行役員DX・システム・調達担当は「当社が独自で行っていた物流業務では、商品の数量をまとめられず、自動化が難しかった」としたうえで、両社の物量をまとめることでボリュームが生まれ、物流の自動化を進めやすくなったとメリットを説明した。
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