カーゴニュース 2026年4月23日 第5430号
大阪アパレル物流協議会(OAP、岩男史朗会長)は17日、総会を開き、2025年度の活動報告と26年度の活動計画について承認した。
総会の開会に先立ち、正副会長が記者会見を開いた。岩男会長はOAPの共同配送事業の直近1年間における変化について「荷主がOAPの共同配送ではなく、自社で引き取り便を手配するようになってきている。そうなると、荷量の減少により共同配送事業におけるボリュームディスカウントなどの強みが薄れてしまうのが懸念点だ」と述べた。
また、RFIDタグの運用については「運用コスト面に問題があるほか、商物一致となっていないなどサプライチェーンが分断されている状態ではあまり効果がない。例えば行政がリードする形で、業界を問わず共通のRFIDを利用できるようになれば、コスト面の抑制が期待できる」と指摘した。
総会では冒頭、岩男会長が挨拶に立ち「昨今のアパレル業界を取り巻く環境は目まぐるしく変わっている。『2024年問題』がなかなか解決に至らない状況のなか、ホルムズ海峡の問題も発生した。その影響でアパレル業界だけでなく物流業界全体で、資材の価格高騰や燃料費の高騰といったコスト上昇など、足元まで危機が迫っている」と地政学リスクに対する危機感をあらわにした。
また、「当協会の正会員の中には『2024年問題』への対応のため、出荷時間を前倒しにする企業も増えている。そうなると、限られた時間の中で出荷準備を進めなければならない。しかし、簡単に人員を増やすことは難しく、時差出勤を行ったり、簡単な作業ではシステムを導入する必要がある。他人事だと捉えていた危機が足元まで迫っていることで、必然的に個々の企業で改善のためのマインドが強くなってきている」と指摘。会員に対し「この危機の中、逆に私たちはポジティブに考えて、改善へのマインドを社員ひとりひとりに浸透させることで、チャンスに変えるというのもひとつの手段だ」と呼びかけた。
会員の入退会状況についても言及し「賛助会員・後援会員については入会企業の業界がこの2~3年でだいぶ広がっている。人材派遣企業や保険会社など、今までの会員にはなかった業種の企業が入会しており、我々にとっても追い風になっているのではないか。OAPでワンチームとなってアイデアを出していく」と強調。そのうえで「今年度のOAPは様々な会員企業からのプレゼンを受け付ける。我こそはという企業がいたら手をあげてアピールしてもらえれば、他会員への刺激となり、将来に結びつく可能性も出てくる。全てがWin―Winとなる1年にしていく」と述べ、会員企業間の連携を推進していく方針を示した。
続いて、今年度の事業計画を報告。具体的な取り組みとして、「輸送・倉庫研究会」では、百貨店に関する取り組みとして、納品代行業務の変化点の把握と賛助・後援会員からのプレゼンを通じた最新ノウハウの吸収、共同配送の実行可能性を調査する。また、量販店関連では、新規会員に対する共同配送への招致に加え、大手荷主の引き取り物流との費用対効果と効率性を検証する。アウトレット関連では、賛助・後援会員企業と共同で配送ルートや物量の調査を進める。「マテハン・システム研究会」では、現場の生産性向上を目指し、会員企業の困りごとを共有し、解決の糸口を探すため賛助・後援会員との共同検証を推進。また、物流先端機器の導入事例や会員企業のオペレーション現場の見学会を開催する。
総会終了後には、弁護士の菊地幸夫氏が講師となり「物流業界が抱える法律問題」をテーマとした講演会が行われた。
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