カーゴニュース 2026年6月4日 第5440号
関東1都3県に126店舗(2026年5月末時点)を展開するスーパーマーケット大手のサミット(本社・東京都杉並区、服部哲也社長)は、協力会社との連携強化や同業各社と発足した「SM物流研究会」の活動を通じて、小売業界における持続可能な物流の実現を目指す。さらに、外部人材の登用によるノウハウの獲得に加え、物流DXでの効率化も進めることで、自社だけでなくメーカーから店舗までサプライチェーン全体にメリットをもたらす納品体制の強化を図る。武田哲志執行役員に小売業界が向かうべき物流の方向性や重点取り組みを聞いた。(インタビュアー/松浦優樹)
〝丸投げ〟脱却へ、課題解消に向け物流部を発足
――今年4月付で新たに物流統括責任者に就任されました。これまでのキャリアについて教えてください。
武田 1992年にサミットに入社し、最初は店舗の水産部門に配属されました。そこで2001年までの9年間にわたって業務に携わり、最終的には主任の立場で部門の運営を担当していました。同年から鮮魚部に異動となりバイヤーとして勤務した後、16年には鮮魚部のマネジャーに、22年4月には物流部のマネジャーとなり、23年に執行役員に就任しました。現在は物流部のほか、一般食品部・デイリー部・家庭用品部・グロサリー業務部も担当しており、生鮮品も含め、サプライチェーン全体の管理に携わっています。
――現在の主要物流拠点の配置などを含め、貴社の物流体制について教えてください。
武田 生鮮品では専用拠点として東京都江東区に「新砂物流センター」を設けており、全店舗向けの保管・配送を担っています。グロサリーに関しては埼玉県草加市に「草加物流センター」、所沢市に「所沢物流センター」、神奈川県川崎市に「川崎物流センター」を設け、1拠点あたり40~50の店舗向けに配送しています。冷凍食品では所沢市に専用のセンターを設けて全店舗向けに配送しているほか、衣料品店の「コルモピア」専用のセンターを埼玉県富士見市に設けています。物流拠点は基本的に3PL事業者など他社に運営を委託しており、配送業者の選定も委託先にお願いしていますが、その運用については当社で適宜確認して適切に対応を行っています。
私が管轄している物流部は、22年4月に発足した部署です。それまではグロサリー部門を主管する「物流・グロサリー業務部」という部署があり、グロサリー部門出身の社員が物流に関する業務を行っていました。また、生鮮部門に関しては部門内のグループがそれぞれで拠点を設け、運営や配送の契約を行っていましたが、一部の部門を除き、生鮮部門の物流も管理するようになりました。その後、機構改革に伴い物流部とグロサリー業務部に分割しました。
――この機構改革による物流部の独立にはどのような背景があったのでしょうか。
武田 物流・グロサリー業務部の時代は基本的に、物流の管理などを業務委託先へ一任――悪く言うと〝丸投げ〟している状態だったことから、当社ではサプライチェーンのどの部分に課題があり、誰にどのような負荷がかかっているのか十分に把握していない環境にありました。当時は当社からの物流改善への積極的なアプローチがなかったというのが正直なところです。
契機となったのは「2024年問題」への対応です。これまでは「運んでもらえることが当たり前」だったのに対し、今後は「運べなくなる時代がくる」という危機感が生まれました。こうした環境の変化のなか、スーパーマーケット業界でも連携して物流変革を進めようとしてきましたが、「総論は賛成でも各論は反対」という空気のなかで、変えるべきとわかっていても変えきれない状況が続いており、当社として変化させるべき部分を検討していました。
こうした流れから、持続可能な物流の構築に向けて、物流管理に特化した物流部を単独で構えました。現在は同部が中心となり、現在の物流環境や課題をひとつずつ精査しながら、業務委託先や店舗に物流面でどのような負荷がかかっているのか、どのように対応すべきか、話し合いを進めながら日々課題解決へ取り組んでいます。
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