カーゴニュース 2026年9月17日 第5468号
海上コンテナ輸送のポートパートナー(本社・横浜市中区、竹内義和代表)が運営する海コン情報サイト「Kaicon.jp」 は、コンテナヤードの入場を完全予約制にした場合に、待機列が消えた後の負担がどうシフトするかをシミュレーションで試算した報告書を公開した。それによると、完全予約制により待機列はなくなるものの、予約枠に入らない分が翌日繰り越しとなり、繁忙期には運送会社が約15%の増車を強いられると分析している。
シミュレーションでは、横浜市港湾局が公表する横浜港の外貿コンテナ統計に合わせた規模の仮想ヤード「本牧総合ヤード」と、そのすべてのコンテナ陸送を引き受ける仮想運送会社「本牧全部運送」をモデルとし、同じ帰着データで「予約なし」と「完全予約制」を突き合わせ、待機列がなくなった後に負担がどこへ、どれだけ移るかを試算。対象は返却と搬入で、搬出は対象外とした。
その結果、「完全予約制」にすると、ヤード前の待機列は解消されるものの、その日に帰着するコンテナの本数も、午後一番に集中する帰着の山も変わらない。一方、「予約なし」であれば、16時30分までに列に並べば、夜までかかっても当日中に処理されるが、「完全予約制」で最終予約枠を16時30分とすると、予約枠が取れなかったコンテナは翌日繰越となり、シャーシに載ったまま一晩、運送会社のシャーシプールを占有するとした。
例年、繁忙期で負荷の大きくなる11月では、とくに負荷が高くなる日で「完全予約制」がなければ生じなかった翌日繰越が812本、その日の返却・搬入負荷の約15%に達すると予測。その分だけ運送会社はシャーシの増車を迫られることになり、待機列という「時間」の負担が、シャーシと置き場という「モノ」の負担に形を変えて、運送会社側へ移ることを示した。
過去4年で最も負荷が高かった2025年11月の水準では、翌日でも搬入できないコンテナが月曜から金曜の5日間で約2028本積み上がると試算。コンテナの搬入にはカット日、空コンテナの返却には返却期限という“締切”があり、返却期限を過ぎれば延滞料が日ごとに加算されるため、「増車で置き場を足せば済む話ではない」としシャーシの増車以外でもコスト負担が増えることを示唆した。
そのうえで、「完全予約制」における負担増の原因について、「最終予約枠を16時30分に据え置くことにある」と指摘。最終予約枠を仮に17時~17時15分まで延ばせば積み上がりは止まり、18時15分~18時30分まで延ばせば「完全予約制」で必要なシャーシは「予約なし制」と並ぶ。「夕方の予約枠をヤードが持つか、シャーシと置き場を運送会社が持つか――負担の分担の問題」と論点を提示している。
購読残数: / 本
恐れ入りますが、ログインをした後に再度印刷をしてください。