カーゴニュース 2026年9月24日 第5469号
「サイバー対処能力強化法」が10月1日に施行される。企業や政府機関を狙ったサイバー攻撃が深刻さを増し、従来の防御策だけでは追いつかないことが現実のものとなるなか、日本のサイバーセキュリティを「受動的防御」から「能動的防御」へと転換させることが目的。同法では官民連携を強化する狙いから、国民生活や経済活動に不可欠な15業種の258社を基幹インフラ事業者(特定社会基盤事業者)に指定しており、そのなかには貨物自動車運送、港湾運送、外航海運といった物流分野も含まれている。
トラック5社、港運32社が基幹インフラ事業者に指定
基幹インフラ事業者は、サイバー攻撃を受けた際にインフラ機能が停止・低下する恐れのある重要システム(特定重要電子計算機)やソフトウェア、クラウドサービス、およびその運用・保守の委託先情報をあらかじめ国に届け出る必要がある。新規導入やシステム更新・変更があった場合も、一定期間内に届出しなければならない。また、自社の重要システムに対して不正アクセスやランサムウェア攻撃などのサイバーインシデントや、その予兆を認知した場合、すみやかな国への報告を義務づけた。
15業種のひとつである貨物自動車運送では、車両数5000台以上が指定基準となっており、日本通運、ヤマト運輸、佐川急便、西濃運輸、福山通運の5社を指定。港湾運送は年間取扱量80万TEUを基準に三菱倉庫、三井倉庫、住友倉庫、上組など32社が指定された。このほか、外航海運で日本郵船、商船三井、川崎汽船の3社、航空では全日本空輸、日本航空の2社が指定されている。
「サプライチェーン攻撃」への対応が必須に
法律面での直接的な対象者は基幹インフラ事業者ではあるものの、それ以外の民間企業も今後は対応強化を迫られることが考えられる。近年は、セキュリティ対策が脆弱な関連企業や取引先などを踏み台にして大企業を狙う「サプライチェーン攻撃」が増えている。このため、基幹インフラ事業者のサプライチェーンに組み込まれた取引先も、基幹インフラ事業者に準じたリスク対応が求められることになる。具体的には、不正プログラム対策ソフトを常に最新版に更新しているか、ソフト開発過程における品質管理体制の確認、攻撃を受けた場合のバックアップや復旧手順の整備などが考えられ、中小企業にとっては重いコスト負担を強いられることもありそうだ。
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