カーゴニュース 2024年6月20日 第5252号
全国通運連盟は14日、2024年度通常総会を都内で開催した。23年度の事業・決算報告を承認したほか、今年度の事業計画・収支予算を報告した。役員改選では7年間にわたり会長を務めた渡邉健二氏(NIPPON EXPRESSホールディングス)が退任し、新会長に齋藤充氏(NIPPON EXPRESSホールディングス)が就任。また、新副会長に中郷昌男(栃木県北通運)、中山和郎(中越通運)、堀切智(利用運送振興会)の3氏が就任したほか、松本年弘理事長の後任として国土交通省出身の馬場﨑靖氏が選任された。
総会の冒頭、渡邉会長が挨拶に立ち、鉄道コンテナ輸送量について「今年度に入って4月、5月と若干上向いてきているものの、まだまだ期待には及ばない」と述べ、さらなる増送に期待を寄せた。また、「2024年問題」について「荷主企業が対策に力を入れ始めており、集荷・配達での手待ち時間を減らすことでドライバーの時間外労働を減らす取り組みが進んでいる。まさに、お客様である荷主企業は時間と金をかけて物流危機を乗り切ろうと動いているが、一方で時間外労働が減ることでドライバーが辞めてしまう懸念も出てきている。現実問題として今年の暮れはドライバー不足で大変な状況になるとの予測もあり、そうなればモーダルシフトの出番になる。そのために、時間と金をかけてでもお客様を鉄道貨物輸送に引っ張り込む仕組みをつくらなければならない。通運連盟もそうした取り組みに力を入れていきたい」と、モーダルシフトの受け皿としての期待に応えていく決意を示した。
総会では、来賓として国土交通省物流・自動車局長の鶴田浩久氏とJR貨物の犬飼新社長の2氏が登壇し祝辞を述べた。また、今総会をもって副会長を退任した福田泰久(センコー)、髙林秀典(八戸通運)の2氏が特別表彰されたほか、常任理事を退任した増井淳氏(小倉運送)、前専務理事の岡部展芳氏に功労者表彰が贈られた。
総会終了後に行われた懇親会の冒頭、齋藤新会長が挨拶に立ち、「鉄道コンテナ輸送はモーダルシフトの担い手として大きく期待されている。モーダルシフトの促進による社会貢献と通運事業の発展について、これまで以上に成果を生み出していきたい。そのためにも、行政の各種施策との連携を深めていくほか、JR貨物ともさらに緊密に協力し、連盟としての事業の円滑な推進を図っていきたい」と抱負を語った。
続いて、国土交通審議官の水嶋智氏、JR貨物の真貝康一会長が来賓として祝辞を述べたほか、自民党物流問題調査会長を務める今村雅弘衆議院議員、江島潔参議院議員が挨拶し、中郷副会長が乾杯の音頭を取った。
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