カーゴニュース 2024年8月6日 5266号
伊藤忠丸紅鉄鋼(本社・東京都中央区、石谷誠社長)、NTTコミュニケーションズ(本社・東京都千代田区、小島克重社長)、メタル便(本社・千葉県浦安市、梶大吉社長)は、伊藤忠丸紅鉄鋼が提供する脱炭素ソリューション「MIeCO2(ミエコ)」を活用し、鉄鋼物流の脱炭素化をはじめとする持続可能な鉄鋼物流の構築のための実証実験を1日から開始した。
鉄鋼物流業界は「専属便」と呼ばれる各企業が自社貨物しか積載しない配送方法が慣習となっており、少量の貨物でも1台のトラックが配送しているため、輸送効率・CO2排出量の両面で課題を抱えている。これらの課題の解決策として異なる荷主の貨物を同じトラックで配送する「共同配送」や、輸送方法をトラックなどではなく環境負荷の小さい鉄道や船舶の利用へと転換する「モーダルシフト」への関心が高まっている。
メタル便は2000年から共同配送を提供。従来の「専属便」より効率的でCO2排出量も少ないとみられるが、定量的な評価はされていなかった。実証実験では、共同配送と専属便によるCO2排出量の算定方法を策定し、実際の事例で算定。共同配送が鉄鋼物流業界のCO2排出量削減に与える効果を検証する。
また、CO2排出量をステークホルダーに開示する仕組みの構築や共同配送によるCO2排出量削減分のカーボンクレジット化を検討する。3社は実証の結果を12月末までに取りまとめ、共同配送によるCO2削減を定量的に示す仕組みを確立。メタル便の実業務への展開を目指す。また、鉄鋼物流の脱炭素の取り組みに賛同する企業と連携することで、共同配送を活用した持続可能なサプライチェーンの実現に貢献する。
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